萩原さん妻 警察に3つの不信感「私を動かしているのは彼の魂」

[ 2015年5月23日 05:30 ]

亡くなった萩原流行さんの写真を前に警察への不信感を露わにするまゆ美夫人

 先月22日にバイク事故で亡くなった俳優萩原流行さん(享年62)の妻、まゆ美さん(62)が22日、東京・霞が関の弁護士会館で記者会見し、警察批判を繰り広げた。事故からちょうど1カ月たつが「捜査の進展が伝わってこない。情報も二転三転している」と怒り心頭。大きく3つの疑念を挙げた上で「公正な捜査をお願いしたい」とマスコミを通じて警察に訴えた。

 事故後数日は「警察を信用するしかない」と話していた夫人の不満が爆発した。約100人の報道陣に対し「警察からまったく情報が入ってこない。事実関係を公開してもらえるように、皆さん(報道)の力をお借りしたい」と会見を開いた意図を説明した。

 警視庁の護送車が絡んだ事故。まゆ美さんが問題視しているのは、今月14日の実況見分と、19日の警察とのやりとりにあるという。特に大きな不信感を抱いたのは19日だ。

 (1)司法解剖 「以前から警察に“19日の週には司法解剖の結果を出せる”と言われていたのに、その日になって“半年かかる”と言われた」

 (2)死因 「(これまで死因が)心房破裂と説明していたのに、警察から渡された死体検案書の死因の欄が“不詳”だった」

 (3)カルテ 「夫がうつ病の治療で通っていた病院に19日、警察から電話があって、夫のカルテを出すように求められた。病院側が“家族の同意がないと駄目”って断った。司法解剖しているのに他に何が必要なのか」

 警視庁は14日、東京都杉並区の青梅街道の事故現場で、まゆ美さん立ち会いのもと初めて実況見分を行った。警察が事故を再現する上で、まゆ美さんは「夫のバイクが倒れた位置が中央車線に寄っていた。事故当日、現場を見たけど、もっと歩道寄りだった」とも指摘。午後2時から5時間かけて行われたが「最後の1時間でバババッと急いで終わらせた印象。違和感があった」と振り返った。

 実況見分中には警察から「賠償金がある場合は公費になる」と説明されたことも明かした。告訴、提訴する可能性については、同席した代理人の堀内稔久弁護士が「まだ訴えるのは早い」とし、警察側の対応を待つ意向。一方、警視庁は「捜査中としか言えない」としている。

 まゆ美さんは最後に「私を動かしているのは彼の魂」と、真相の究明を強く訴え掛けた。

 ▽萩原さんのバイク事故 4月22日午後6時頃、東京都杉並区高円寺南の青梅街道で片側3車線の中央車線を走行中、萩原さんが何らかの理由で転倒し、前を走っていた護送車の右側の前輪付近に接触した。その後、萩原さんは一番右側の追い越し車線に投げ出され、後方から走ってきた乗用車にひかれた。搬送時には意識がなく、都内の病院で死亡が確認された。

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2015年5月23日のニュース