バカリズム 大喜利は「感覚の闘い」IPPON難問化への回答術

[ 2015年5月21日 09:30 ]

23日の「IPPONグランプリ」に出場するバカリズム。大喜利は「感覚の闘い」と表現、難問化への回答術を明かした

 年2回の大喜利の祭典、フジテレビ「IPPONグランプリ」は23日午後9時から第13回大会が放送される。過去最多3回の優勝を誇るバカリズム(39)はトップ芸人同士による大喜利バトルを「感覚の闘い」と表現。史上最多11大会連続12回目の出場となり、数々の名回答を生み出してきたが、その唯一無二の“思考回路”や難問化するお題への対応策に迫った。

 「お台場笑おう会」から招待された10人の芸人がA・Bブロック5人ずつに分かれ、さまざまなお題に回答。Aブロックの審査はBブロックの芸人が行う。採点ボタンは1人2個。5人全員が2個のボタンを押し、合計10点満点になると「一本」。各ブロック4問(1問につき制限時間7分)出題され、一本の数を競う。両ブロックの一本最多獲得者が決勝(審査は残る芸人8人、16点満点)で激突。「芸人大喜利王」を決める。

 絶対王者の発想法を聞くと「発想は基本、感覚ですよね。だから、おもしろいんだと思います。(大喜利は)ネタとはまた違うので。ネタのように組み立てていくものでもない。ひと言ですから。感覚の闘いだと思いますね。考えるというよりも(回答が)浮かぶか浮かばないかの話なので」と、常人には計り知れない研ぎ澄まされた感覚だと語った。

 「ベストアンサー」を問うと、悩みながら、前回第12回大会(昨年11月)、有吉弘行(40)との決勝第5問。「豪快な台詞を言ってください」に対する回答「IPPONグランプリを終了します」が印象に残ると挙げた。

 ポイント2―2で迎えた最終問題。一本を取れば7大会ぶりの優勝が決まる。バカリズムは有吉に先んじて最初の答えを出した。「これで終わったら、カッコいい。もう終わらせるつもりで出したんですよ。結果的に出すのが早かったですね」と振り返った。この回答は13点で一本(16点)に届かず、有吉に栄冠をさらわれた。

 先に答えを出され、涙をのんだサドンデスが続き「最初は待つタイプだったんですが、待たなくなりましたね。3回目の優勝(第5回=11年6月)ぐらいまでは、割と順番を待ったりして『ここで1回待ってから出そうか」という感じで、落ち着いてやっていたんですけど。数を出していこうというふうにはなりましたね。先に出すのも意識するようになりました」と戦法が変わった。実際、この決勝の5問のうち、4問はバカリズムが先手だった。決勝は浮かんだ順に回答を出したという。

 また、ここ最近のお題の難問化に言及。「傾向が変わってきて、お題の意味が分からないことがあったりするんですよ。『ちなみに(放送)作家さん、回答例なんですか?』と聞きたくなるような」と苦笑い。

 「お題のフリがひねってくると、答えも変わってくるというか。裏切りにくくなるというか。初期の頃は、お題をズラしやすかった。お題に別の角度のものを入れやすかった。それが最近はお題自体の角度がおかしいから、今度はそこに別の角度というのが、ちょっと難しくなってきています」

 第11回大会(昨年5月)Aブロック(バカリズム・設楽統・小出水直樹・堀内健・岩尾望)第4問「気の長い岸田課長がそれでもキレないこととは?」

 「普通の大喜利だったら『気の長い岸田課長が唯一キレたこととは?』ですよね。『それでもキレない』というフリは『これ、どういうことだ?』と。相当、難しかったです。それぞれの解釈でいくしかないので、僕はもう結構、強引に書いた記憶がありますね。力技というか。お客さんに『このお題はこういう答え方をするものなので、こういうふうに見てください』というふうに、最初にいっぱい回答を出して」。事実、ブロック全体の5答目までにバカリズムが3回、答えている。

 それで「よりキレられるような無礼を書けばいいんだ」「無礼なことSHOWなんだ」と、お題が見えてくる。そして、観客を自分の世界に引き込んだ。

 23日放送の第13回大会は、Aブロックにバカリズム、ネプチューン・堀内健(45)チュートリアル・徳井義実(40)初出場の板尾創路(51)初出場の狩野英孝(33)、Bブロックに博多華丸・大吉の博多大吉(44)オードリー・若林正恭(36)ロバート・秋山竜次(36)千原兄弟・千原ジュニア(41)、「IPPONスカウト」からトレンディエンジェル・斎藤司(36)が入った。

 大会チェアマンを務めるダウンタウン・松本人志(51)の盟友・板尾、5年ぶり出場となる強豪・若林が参戦し、激戦は必至。それでも“絶対王者”の称号は譲らない。バカリズム流の「IPPONグランプリ」攻略法で、4年ぶりの頂点を狙う。

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2015年5月21日のニュース