「5時夢」プロデューサー 10周年原動力は「反骨精神」

[ 2015年5月4日 10:40 ]

「5時に夢中!」について語ったTOKYO MXの大川貴史プロデューサー

 強烈なコメンテーター陣を擁し、タブーのない番組作りが評判を呼んで今年4月に10周年を迎えたTOKYO MXの看板番組「5時に夢中!」(月~金曜後5・00)。開始当初からプロデューサーを務める同局の大川貴史氏は「反骨精神がモチベーションになった」と10年の歩みを振り返った。

 番組が10周年を迎えられた理由を尋ねてみると「運が良かったんじゃないですかね」とサラリ。平日午後5時の帯番組は「(「5時夢」が始まる前は)2年間で3回くらい番組が変わっていた」という厳しい時間帯で、5年目頃までは「来年あるかわからない」という危機と常に隣り合わせだった。

 今や同局の看板番組で、マツコ・デラックス(42)、岩井志麻子(50)ら歯に衣着せぬコメンテーター陣がすかっとするくらい放言することが番組の特長の1つだが、初期の頃の方がより発言が過激だったのだとか。「初期は何のしがらみもなかったから。今の方がよっぽど言えないことがありますよ。みんなが大人になったっていうのもあるかもしれないですね。(当時は)僕も含めて当時30代前半だったから、みんなよくわかってなかったんじゃないですか」と振り返る。

 過激なあまり放送後に上司から呼び出しを受けることもあったそうだが、「MXテレビっていうのは誰も見てないんだから何言ってもいいんじゃない?っていう。多少インパクトがある方が世の中に届くっていう意識でやってますよね。普通と同じだったら見られないんだから。話題優先で、みたいなところはありましたよね」。計算ずくでインパクトを重視していたからこそ、時折注意を受けることもあったという。

 そんな姿勢の番組に、当初は局内で逆風も強かった。「あれはダメ、これはダメって口を出してくる。それに対するものすごい怒りがあって、それがモチベーションですね」。怒りを原動力に変え番組に打ち込み続けた結果、「5時夢」は看板番組と呼ばれるまでに成長した。それでも「看板番組って言われるようになったら急に会社の財産だって言われるようになって。それに対する怒りもありますよ」と口をとがらせた。

 コメンテーターやゲストの絶妙な人選は大川プロデューサーの人脈と感性。「ご縁と、お会いさせてもらったりとか本読ませてもらったりとかして、僕が面白いと思うかどうか」が基準となる。「歴史も伝統もなかった」頃はオファーに応じてくれる芸能人も限られていたが、徐々に番組の存在感も増し、ゲスト出演者も幅が広くなった。15年3月にはみのもんた(70)がゲスト出演。「みのもんたさんが出る時代が来るなんて思わなかったですから。他局で冠を持っていた人は出ないですよ、普通」と驚きを隠さない。

 現在のコメンテーター陣で誰が特に癖のある人物か尋ねてみると「みんなですよ」と笑う。「女の人って怖いなと思いますよ、基本的に。女の人って若い時可愛いけどみんなこうなっちゃうのかっていう。女の本音ってこういうことなんだなと。内面というか。その分正直だと思いますけどね」。夕刊紙のニュースを紹介する「夕刊ベスト8」のコーナーも「女性にも受け入れられやすそうなテイスト」は意識しているのだという。

 生放送の帯番組を10年間やってきて「案が枯渇している」と嘆くが、新しい試みとして5月5日にスタジオアルタ(東京・新宿)の公開生放送を親子限定で行う。「子供たちに喜んでもらえるような内容にしたい。本当は全員子供でやりたかったですよ、客席見たら全員子供って超面白くないですか」。目を輝かせながらプランを語る大川プロデューサーは、まだまだ“枯渇”とは無縁のようだった。

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2015年5月4日のニュース