「デート」 月9定番に挑戦で続編希望多数「結婚生活もぜひ見たい」

[ 2015年3月28日 09:00 ]

ドラマ「デート~恋とはどんなものかしら~」主演の杏

 23日の最終回で平均視聴率13・5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した杏主演のドラマ「デート」(フジテレビ)。恋愛を「人生の浪費」「何の役にも立たない」と全否定する男女の恋模様を描いたラブコメディは、恋愛ドラマの老舗 “月9”史上、画期的な試みだった。しかし、物語のパターンとしては、月9の王道そのもので、このギャップが視聴者の共感を呼んだのかもしれない。

 月9ドラマのパターンは、おおよそ次のパターンで構成される。「最悪の出会い」→「気づかぬうちに惹かれあう」→「恋敵の登場」→「やっぱり結ばれる」の4つの流れだ。「デート」も基本的にこの4つで構成されている。

 では、なぜ王道でありながら、斬新な恋愛ドラマとして視聴者を引き付けたのだろうか。それはこのドラマが「奇跡」を「運命」だと簡単に片づけなかった点だろう。第6話の「お正月」のエピソードが印象的だ。

 亡くなった母が作る思い出のお雑煮をずっと再現できずにいた杏演じる藪下依子。しかしその相手・谷口巧(長谷川博己)が見事にそれを再現させるという「奇跡」が起きる。何の疑いもなく誰もが「運命」と感じるシーンだが、加えて「なぜずっと再現できずにいたのか」という部分の謎を、「運命」へと美しく着地するための種明かしが用意されていた。

 気楽に観られる恋愛ドラマでありながら、凝った構成が随所に織り込まれる中で、今までにない斬新な恋愛ドラマとなった側面もある。

 データニュース社(東京)が行なっているテレビ視聴アンケート「テレビウォッチャー」(対象者3000人)によると、最終回の視聴者満足度は4・01(5段階評価)で、高満足度といわれる3・8を大きく超えた。視聴者の回答からは「終わるのが惜しい」(30歳男性・会社員)「納得のラスト」(29歳女性・主婦)という、最終回に満足したというコメントのほか、「楽しみにしていた番組が終わってしまって悲しい。続きをまたやってほしい」(28歳女性・会社員)、「結婚生活も見たいのでぜひ続編も作ってほしい」(42歳女性・主婦)など、続編を望む声も多く寄せられた。

 新しい月9の扉を開いた本作、続編があるとすれば楽しみだが、これはこれとして、月9には過去の歴史にとらわれない、さまざまな試みを視聴者も期待している。その意味で「デート」挑戦は意味があったのではないか。

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2015年3月28日のニュース