米朝さんに1200人が別れ…藤十郎「待っといてくださいよ」

[ 2015年3月25日 05:30 ]

3つの勲章と賞状などが飾られた桂米朝さんの祭壇

 19日に肺炎のため89歳で亡くなった人間国宝で上方落語家の桂米朝さんの通夜祭が24日、大阪府吹田市の公益社千里会館で営まれた。約1200人が参列した。“上方落語四天王”最後の一人となった三代目桂春団治(85)も弔問。一昨年5月に体調不良で休養後、約2年ぶりの公の場で、所属事務所によると「相当に残念そうだった」といい、報道陣に対応することなく、早々に会場を後にした。

 通夜では、同じ人間国宝の歌舞伎俳優坂田藤十郎(83)と、人形浄瑠璃文楽の太夫の竹本住大夫(90)が別れの言葉を贈った。藤十郎は「私が向こうに行くのはまだ少し早いと思います。頑張ってやっていきますので、待っといてくださいよ」と遺影に呼び掛けた。

 遺影は2005年11月に撮影した一枚。棺の遺体には、黒紋付きが着せられた。祭壇は胡蝶(こちょう)蘭や菊、トルコキキョウ、ユリの花で彩られ、両脇には文化功労者、文化勲章、重要無形文化財保持者(人間国宝)の勲章と賞状が飾られた。会場の入り口横には、米朝さんが愛用していたキセルなどのたばこ盆や万年筆、舞台衣装や扇子など20点以上が展示された。

 合同葬は25日午前11時から同所で営まれる。出棺の際は、米朝さんが生前使用していた出囃子(ばやし)「三下がり鞨鼓(かっこ)」を一門の生出囃子で見送る。

 ▼主な参列者 坂田藤十郎、竹本住大夫、桂春団治、扇千景、中村鴈治郎、笑福亭仁鶴、西川きよし、月亭八方、桂小枝、立川談春、森脇健児、藤本統紀子、田中康夫、河内家菊水丸、ハイヒール(リンゴ、モモコ)、大村崑、芝田山親方、吉野伊佐男(吉本興業会長) =順不同、敬称略

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