「3・11映画祭」 被災者の“モヤモヤ”語り合うきっかけに

[ 2015年3月12日 05:30 ]

上映後にトークショーを行った写真家・畠山直哉氏(左)と畠山容平監督

東日本大震災から4年

 東日本大震災や原発事故をテーマにしたドキュメンタリー映画など28作品を上映する「3・11映画祭」が、東京都千代田区のアーツ千代田3331で開催されている。

 昨年に続く2回目で、被災地で表現活動をする人らをサポートする「わわプロジェクト」が主催。統括ディレクターの中村政人氏は「映画は、観賞後に人と話したくなる。被災者が抱えるモヤモヤを、多くの人が共有できれば」と話す。

 上映作の一つ「未来をなぞる」(監督畠山容平)は、写真家・畠山直哉氏が、震災後に岩手県陸前高田市を撮り続ける姿を追った一本。同市出身で東京を拠点に活動しているが、津波で実家が流され、母親が死去した。畠山監督は「“前向きにはなれず、後ろ向きにしか生きられない”という直哉氏に共感した。ドキュメンタリー映画なら彼のモヤモヤを表現できると思った」と製作意図を語る。

 被災の度合いは人それぞれで、時間がたつにつれ、さまざまな問題も浮上。直哉氏は「マスメディアは、人を性急に癒やそうとし、励まそうとする。この映画祭は、まず(被災者には)モヤモヤがあることを確認し、そこから語り合う場をつくろうとしているのかも」と話した。映画祭は14日まで。

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2015年3月12日のニュース