尾上菊五郎 三津五郎さんに誓った「巳之助くんを立派な役者に」

[ 2015年2月25日 15:51 ]

白とブルーを基調にした祭壇に飾られた坂東三津五郎さんの遺影

 すい臓がんのため21日に59歳で死去した歌舞伎俳優で日本舞踊坂東流家元の坂東三津五郎(ばんどう・みつごろう、本名守田寿=もりた・ひさし)さんの本葬が25日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。中村吉右衛門(70)、市川海老蔵(37)、中村勘九郎(33)ら歌舞伎関係者のほか、06年の映画「武士の一分」で共演した「SMAP」の木村拓哉(42)など多くの著名人、一般のファンら5000人が参列し、最後の別れを惜しんだ。

 歌舞伎俳優の尾上菊五郎(72)は弔辞で、「若手をかわいがって、育ててくれました。3年後、5年後、10年後に君のまいた種が花咲き、歌舞伎界を背負って立つと思うと私も楽しみです」と親身になって後輩を指導した三津五郎さんの人柄を称賛。そして「きっと立派な役者にしてみせます」と喪主をつとめた長男の坂東巳之助(25)を一人前の役者に育て上げることを天国に誓った。

 城好きとして知られ、BS番組ではナビゲーターも務めていた三津五郎さん。「あなたは姫路城が好きと言っていましたね」と語りかけた菊五郎は、「ホステス嬢もキャバクラ嬢も好きでした」と“夜の街”が好きだったことも明かし「向こうの世界のネオン街でいい店を探しておいてください」と親しい先輩らしい粋な弔辞で笑わせ、そして泣かせた。

 三津五郎さんの飾らない人柄を表すかのように、好きだったという青と白の花で飾られたシンプルな祭壇には、09年に撮影された遺影と同年に贈られた紫綬褒章も飾られた。戒名は「品の良い香りただよう芸を客席にまでも醸し出す」などの意味が込められた「香藝院爽進日壽居士(こうげいいんそうしんにちじゅこじ)」。

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