仲間やファンら三津五郎さん惜しむ声 幸四郎「言葉もない」

[ 2015年2月22日 23:16 ]

 歌舞伎俳優、坂東三津五郎さんの突然の訃報を受け、東京都中央区の歌舞伎座前では22日夜、役者仲間やファンから、早すぎる死を惜しむ声が聞かれた。

 公演を終えたばかりの松本幸四郎は「言葉もない」と一言。悲しみの表情を浮かべた。

 東京都の会社員今井みち子さん(58)は、2012年に東京・新橋演舞場で見た「金閣寺」が印象的だという。「悪役を演じていたが、貫禄があった。残念です」。40代の女性は「仲の良かった中村勘三郎さんを追ってしまったのでしょうか。50~60代の歌舞伎俳優が次々に亡くなって悲しい」と肩を落とした。

 都内の三津五郎さんの自宅には、歌舞伎俳優の市川海老蔵や中村獅童、俳優の寺島しのぶらが弔問に訪れた。

 膵臓がんから復帰し、昨年4月に歌舞伎の舞台へ戻った三津五郎さんだったが、関係者によると、がんは完治に至らず、同年9月の定期検査で肺への転移が見つかった。

 昨年末に予定していた舞台を降板し、治療に専念したが、今年1月末にインフルエンザに感染し、肺炎も併発して入院。だが2月上旬には、家元を務める日本舞踊坂東流の名取試験に立ち会い、テレビ番組のインタビューにもしっかりとした口調で応じるなど、自らの責務を果たそうと執念を見せていたという。

 17日に容体が急変、21日未明に東京都内の病院で、家族に見守られながら息を引き取った。

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2015年2月22日のニュース