【TVプレビュー】「黒い看護婦」大竹しのぶ怪演、殺人鬼の心の闇

[ 2015年2月13日 11:00 ]

フジテレビのスペシャルドラマ「黒い看護婦」の1場面(大竹しのぶ)

 2002年に発覚した久留米看護師連続保険金殺人事件を題材に、フィクションとして再構成したフジテレビのスペシャルドラマ「黒い看護婦」が13日午後10時から放送される。

 大竹しのぶ(57)寺島しのぶ(42)坂井真紀(44)木村多江(43)が豪華競演。命を守る立場の看護師が知識を悪用し、自分たちの夫に多額な保険金をかけて次々に殺害。残忍な犯罪に手を染めるに至った4人の心の闇、世間を震撼させた前代未聞の事件の真相に迫る。

 2004年(平16)3月20日の夜、福岡県久留米市。田中直子(大竹)秋川美奈子(寺島)村井香澄(坂井)の3人は、安藤康子(木村)の実家に忍び入り、眠っている男の鼻に医療用の胃チューブを挿入してウイスキーを流し込む。黙々と作業を進め、男の心拍が止まったことを確認した3人は、その場を後にする。殺された男は康子の夫・安藤敦(寺島進)だった。4人に何があったのか。時は4年前、00年にさかのぼる。

 4人は10代の時、同じ看護専門学校に。卒業後は別々の道に進んだが、ある日、直子から美奈子に突然の電話。2人は再会する。美奈子は別れた恋人の赤ちゃんを妊娠したが、死産。心身ともにどん底だったが、直子に慰められ、次第に心を開く。やがて美奈子は言われるがまま、直子に“従属”する…。

 大竹演じる主犯・直子は3人の弱みを握り、金を巻き上げる。3人を洗脳したかのように自分に完全服従させ、悪の道へ引き込む“モンスター”とも言える強烈なキャラクターだが、人懐っこく、世話好きの一面も。普通なら関係を断るところを、素朴な口調で親切にされた3人は心を許す。裏に狂気を秘めた“やさしき怪物”の二面性。大竹が怪演し、見事に表出される。

 直子のモデルとなった女性の公判を傍聴した黒沢淳プロデューサーは「そこはまさに劇場でした。彼女は実に魅力的であり、人間というものを考えさせる偉大な存在として、私に迫りました。人間というものの悪さ、弱さ、かたくなさ、もろさ、不可解さ、そういったものをとことん描き、かつ予定調和が一切ない、説得力のあるドラマを作りたいと思いました。その時から、この役を演じられるのは名優・大竹しのぶさんしかいないと思っていました」と話している。

 ドラマは、康子の夫殺害のため、直子、美奈子、香澄が待機する1台の軽自動車から始まる。車内には、FMラジオから流れるABBAのヒット曲「ダンシング・クイーン」が響く。これから行われる殺人とは、あまりに対照的なナンバー。後に“女王”になる直子、人生というステージで“踊る”直子を暗示したのなら、ニクい選曲だ。

 原作は、ノンフィクション作家・森功氏が事件の裏側に迫った犯罪ドキュメント「黒い看護婦―福岡四人組保険金連続殺人―」(新潮文庫刊)。脚本はテレビ朝日「松本清張 黒革の手帖」フジテレビ「美しい隣人」などの神山由美子氏。
 
 なお「看護婦」という呼称は、実際の事件当時に準じて使っている。

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