ジブリ鈴木氏、岩井俊二監督初アニメに新作のヒント「テーマは身近に」

[ 2015年2月8日 18:46 ]

「花とアリス殺人事件」で初の長編アニメに挑戦した岩井俊二監督(右)とトークショーを行った鈴木敏夫プロデューサー

 岩井俊二監督(52)の最新作で、初の長編アニメとなる「花とアリス殺人事件」(20日公開)の公開を記念し開催中の「岩井俊二映画祭」で8日、原点となる2004年の「花とアリス」が特別上映され、岩井監督とスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(66)が上映前にトークショーを行った。

 新作の公開まで2週間を切っているが、岩井監督は「まだやっていて、事務所は騒然としている。スタッフは仕上げに奔走していて、きょう劇場で20日公開の文字を見て冷や汗が出た」と自ちょう気味に告白。すべてのシーンを実写で撮影し、それを絵コンテ化するという独特の手法を試みており、「実写に比べコマ単位だから恐ろしい。実写だと簡単にやれるのに、1コマだけ椅子がなかったり、いろんなエラーが出る。でも、やり始めからには仕上げるしかない」と自らを鼓舞した。

 10年ほど前に相談を受けたという鈴木氏は、「反対した覚えがあるが、実写を見ていてもコンテがあるのは明らかで、アニメをやりたい人なのかなと思っていた」と分析。製作の遅れは「風の谷のナウシカ」が公開4日前に完成したことを例に挙げ、「ある程度でき上がったものを見せてもらったが、傑作と声を大にして言いたい。自分が正しいと思ったことを、枠にはまらず自由かっ達にやった効果が本当に出ている。完全に岩井さんの映画になっている」と絶賛し、エールを送った。

 また、ジブリの新作に関しては「開店休業中で、何を作っていいか悩んでいる」と吐露。それでも、「映画は作るもんじゃなくて見るもんだと思うが、どうしても自分に降りかかってくる。大上段に振りかぶらなくても、岩井さんの映画のようにテーマは身近なところにあるかも。あとは、キャラクターをちゃんと作ることを考えるべきなんでしょうね」と刺激を受けている様子だった。

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2015年2月8日のニュース