浅野忠信 BR主演男優賞、健さん、文太さんの魂伝えたい

[ 2015年1月23日 05:30 ]

ブルーリボン賞主演男優賞に輝きポーズをとる浅野忠信

 東京映画記者会(スポーツニッポン新聞社など在京スポーツ7紙の映画記者で構成)が選ぶ「第57回ブルーリボン賞」(14年度)の各賞が22日、決定した。主演男優賞は「私の男」の浅野忠信(41)、主演女優賞は「0・5ミリ」「百円の恋」の安藤サクラ(28)が受賞。本木克英監督(51)の「超高速!参勤交代」が作品賞に選ばれた。

 初のブルーリボン賞受賞に、浅野は「最近、日本で映画賞を頂いてなかったので相手にされてないのかと思っていた」と冗談めかしながら「日本の映画で頑張ってきたつもり。その思いが届いてうれしい」と喜びをあふれさせた。

 「私の男」では奥尻島を襲った地震と津波で孤児となった少女を引き取り、禁断の愛に溺れる養父役を演じた。タブー視されがちな役だが「40代を迎えて最もやってみたい役だった」と振り返る。20代でアクの強い役を演じ、30代は幅広い役に挑戦。「いろいろと演じて勉強になったし、何が自分に向かないのかも分かった。40代は、20代で任されたような役を追究すべきと思っていた」

 北海道・紋別では流氷待ちの撮影も体験。「役に入り込めるなら氷水に漬かっていても苦じゃない」と強調し「役に入り込める時間をつくってもらえない方が地獄」と語り、最近の映画に「映像を撮りたい人ばかりで俳優の心やエネルギーに目を向けてくれる人がいなくなった」と不満を口にする。

 20~30代の時には個性あふれる先輩や監督たちと出会った。昨年、亡くなった高倉健さんとは12年の「あなたへ」で共演。菅原文太さんとも03年の「わたしのグランパ」で時間を共にした。「俳優の心を大切にする人たちだった」と振り返り「そういったことを伝えていかなければいけない」と思いを新たにする。

 目標は「とてもワガママな俳優」になること。「俺はブルーリボン賞をもらったんだぞ、言うことを聞け、と言える俳優になりたい」。自分を曲げずに俳優人生を生きていく。

 ◇第57回ブルーリボン賞受賞者・作品賞◇※敬称略 作品賞 「超高速!参勤交代」 監督賞 呉美保「そこのみにて光輝く」 主演男優賞 浅野忠信「私の男」 主演女優賞 安藤サクラ「0.5ミリ」「百円の恋」 助演男優賞 池松壮亮「紙の月」「ぼくたちの家族」「海を感じる時」 助演女優賞 小林聡美「紙の月」 新人賞 小芝風花「魔女の宅急便」 外国作品賞 「ジャージー・ボーイズ」 

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