F・ロージ氏死去 イタリアの社会派映画監督、三大映画祭で受賞

[ 2015年1月11日 04:29 ]

 社会の暗部をえぐる作風で知られ、世界三大映画祭の全てで受賞歴があるイタリアの映画監督フランチェスコ・ロージ氏が10日、ローマで死去した。92歳。イタリアのメディアが報じた。直接の死因は不明だが、気管支炎で病床にあったという。

 1922年、イタリア南部ナポリ生まれ。58年に「挑戦」で映画監督として本格デビューした。政財界の腐敗やマフィア犯罪などを題材に取り上げ、ネオリアリズムの流れをくむ社会派として映画界に影響を与えた。

 62年に「シシリーの黒い霧」でベルリン国際映画祭の監督賞を、63年に「都会を動かす手」でベネチア国際映画祭の最高賞である金獅子賞を受賞。国際石油資本の実態に迫った72年の「黒い砂漠」でカンヌ国際映画祭の最高賞を獲得した。

 97年にはベネチア国際映画祭で審査員を務め、金獅子賞を受賞した北野武監督に金色の獅子像を手渡した。(共同)

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