池上彰氏 阪神淡路大震災語る「“復旧”はしたが“復興”したか」

[ 2015年1月8日 05:30 ]

20年ぶりに神戸を訪れた池上彰氏

 ジャーナリストの池上彰氏(64)が7日、大阪市内で17日に発生から20年となる阪神淡路大震災への思いを語った。

 当時はNHK記者で、前年から「週刊こどもニュース」に“お父さん”役で出演。震災後、被災地の子供たちの頑張りを番組内でリポートするため、直後に2度にわたり日帰りで西宮北口から三宮周辺を自転車でスチールカメラを手に取材したという。「行けども行けども被災地が続き、衝撃的な光景だった。傾いた建物の間を歩き、船酔いのような感覚に襲われた」と振り返った。

 この日は、司会を務めるMBSテレビ「阪神淡路大震災20年 生死を分けたドキュメントが語る! 池上彰の生きるための選択」(14日後7・56)の収録に参加。20年ぶりに神戸市東灘区の阪神高速倒壊現場などを訪問する池上氏のVTRも紹介された。当時、カメラで撮影した少年(当時9歳)に再会。「今は結婚して立派なお父さんになっていて感動的でした」と語った。また、「街はすっかり変わり、当時の記憶と合致しないくらい」と驚いたが、人口減少などを理由に「“復旧”はしたが“復興”したかというと難しい。課題はまだある」とした。

 同番組では、実際に阪神、東日本など大震災で被災し九死に一生を得た人々の経験を基に、スタジオゲストの高橋英樹(70)、石田純一(60)、間寛平(65)らと災害時に生き抜く教訓や救助のための三種の神器などを紹介する。池上氏は「地震災害は日本に暮らす以上、宿命と思わなければいけない。何が生死を分けるのかは過去の地震から学ぶしかない」と、災害時の知識や物資の備えを訴えていた。

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2015年1月8日のニュース