元NHKアナ・生方恵一さん死去 紅白「ミソラ」発言から30年…

[ 2014年12月21日 05:30 ]

NHK歌謡ホールの番組中で、「ミソラ」発言でおわびする生方恵一さん(左)

 NHK紅白歌合戦の総合司会などを務めた元NHKアナウンサーの生方恵一(うぶかた・けいいち)さんが15日午前8時46分、肺炎のため東京都練馬区の病院で死去していたことが20日、分かった。81歳、前橋市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻かほるさん。

 約5年前から糖尿病を患い、腎不全で透析を受け、3年前から徐々に体調が悪化していた。

 1956年にNHKに入局。温かな人柄と軽妙な語り口で人気を得た。紅白歌合戦では81、82年に総合司会を担当。3度目となった84年、同年の紅白のステージを最後に引退宣言していた都はるみ(66)が大トリを務めた直後、「盛大な拍手を、ミソラ…」と言い、絶句。最大の見せ場で都の名前を美空ひばりさんと言い間違え、“ミソラ発言”として世間をにぎわせた。

 85年7月、大阪放送局に転勤したが、翌月退職。部長級から局次長級に昇格しての異動だったが、家庭の事情などで退職を決断したと、後のインタビューなどで明かした。退職時の会見では「今回のことと、紅白(のミソラ発言)とは関係ない」と説明した。

 NHK退職後は、フリーアナウンサーに転身。日本テレビ「お昼のワイドショー」でキャスターを務めるなど、テレビやラジオ番組で活躍した。

 “ミソラ発言”は生方さんの代名詞ともなり、「紅白歌合戦の司会で人間味溢(あふ)れる美空発言で」との理由で85年の「ゆうもあ大賞」を受賞した。01年6月には、美空さんの十三回忌追悼イベントのコンサートで司会を担当。「僕が美空さんというと、思い出したくない思い出もあります」と、失態をジョークにして笑いを誘っていた。

 生方恵一(うぶかた・けいいち)1933年(昭8)3月25日、群馬県前橋市出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、NHKに入局。生放送のバラエティー「ひるのプレゼント」や、音楽番組「NHK歌謡ホール」などの司会を務めた。フリーに転身後は、講演や執筆活動も積極的に行い、著書に「生放送だよ人生は」などがある。

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