蜷川さんの高齢者劇団 パリの名門劇場で公演

[ 2014年12月9日 09:30 ]

 出家の蜷川幸雄さん(79)が率いる高齢者の演劇集団「さいたまゴールド・シアター」が8日、パリ市立劇場で舞台「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」(清水邦夫さん作)を上演した。公演は12日まで。

 同集団は昨年5月に初の海外公演としてパリ日本文化会館で「鴉よ―」を上演。これが好評を博し、19世紀設立の名門劇場から招待された。平均75歳以上という年齢を感じさせない演技に満員の約千人の観客から熱烈な拍手が送られた。

 パリ在住の文筆業カリム・ルスニさん(49)は「素早く動くのが難しそうなところもあったが、とてもエネルギーを感じた」と話した。演劇関係の仕事をしているラリュー・ダニエルさん(57)は「年を取らないとできない演技がある。素晴らしい」と感心した。

 男性最高齢の団員、高橋清さん(87)は「この年になってパリで演劇をするなんて夢の中にいるようだ」と感激した。

 ゴールド・シアターは2006年に55歳以上を条件に団員を公募し結成。現在は60~80歳代の39人が所属する。11月には香港でも公演を行った。

 「鴉よ―」は、爆弾テロで罪に問われた青年の裁判が開かれる法廷を年寄りの女性たちが占拠する物語。(共同)

続きを表示

2014年12月9日のニュース