健さん人気を不動にした任侠映画 ファン熱狂「死んでもらいます」

[ 2014年11月19日 07:35 ]

72年「「昭和任侠伝・破れ傘」の撮影で入れ墨姿で熱演する高倉健さん

高倉健さん死去

 健さんの人気を不動にしたのは任侠映画での活躍だった。1963年公開の「人生劇場 飛車角」以降、学生時代に趣味のボクシングで鍛えた肉体を生かし、任侠道に生きる男を様式美の中に描いた「日本侠客伝」シリーズなどで一世を風靡(ふうび)した。

 65年からの「昭和残侠伝」シリーズでは、唐獅子牡丹(ぼたん)の入れ墨を背負い日本刀を構える姿に男性ファンが熱狂。「死んでもらいます」の決めぜりふも全共闘世代の共感を集め、映画館では観客がこのセリフの場面で「異議なーし」と叫ぶほど絶大な支持を集めていた。

 アウトローを演じた「網走番外地」(65年)シリーズも大ヒット。不条理な仕打ちに耐え復讐(ふくしゅう)を果たす骨太な役どころ。映画館は通路まで満員になり、上映が終わると主人公に感情移入した観客たちが肩で風を切るように出て行く姿が見られるほど大きな影響を与えた。

 一貫して演じたのは、苦難に黙って耐え、逆境をものともしない主人公。“男の美学”が支持されて時代を象徴する映画スターとなり、義理人情に厚く、ストイックで寡黙なイメージが定着。漫画「ゴルゴ13」の主人公・デューク東郷のモデルにもなり、73年公開の実写映画版にも出演した。

 76年に東映を退社後は、人間ドラマやアクションなど出演作の幅を広げた。「幸福の黄色いハンカチ」(77年)では女性へのひたむきな愛を体現し、新境地を開拓。「鉄道員(ぽっぽや)」の駅長、遺作となった「あなたへ」の刑務官など、寡黙だが筋が通っていて温かみがある男性像を演じてきた。

 自らを評した口癖は「不器用な男ですから」。余計なことはしゃべらないが、いざというときは最も頼りになる男だった。日本人が昔から理想の一つとしていた生き方を、健さんはスクリーン内でも貫き通した。

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