健さん幻の未発表曲あった!99年録音、全編九州弁「対馬酒唄」

[ 2014年11月19日 05:31 ]

10日に亡くなった高倉健さん

 健さんが生前にレコーディングしていた“幻の歌”があった。今から15年前の1999年に吹き込んだ歌で、タイトルは「対馬酒唄」。作詞家の荒木とよひさ(71)、作曲家の徳久広司(66)の両氏が健さんのために書き下ろした。

 全編が九州弁で、九州男児であることを誇りにしていた“健さん節”全開の作品。まるで「語る」ように歌う健さんの男らしく哀愁に満ちた歌声が印象的で、中でもエンディングの♪俺が死んだらよ 桜の下によ 骨ば埋めて、花見してよ――の歌詞は胸を打つ。

 当時68歳。「鉄道員」の撮影をしていた頃で、この歌は世に出ることなくお蔵入りした。同時に吹き込んでいたカップリング曲もあり、フランク永井さんの「流れの雲に」(62年発表、作詞川内康範、作曲渡久地政信)のカバーだ。

 健さんの歌では、65年の映画「網走番外地」の主題歌が、日本民間放送連盟の当時の内部規定に基づき「刑務所を美化している」という理由から放送禁止指定を受けたが、200万枚の大ヒットとなった。また「どうせ俺らの行く先は その名も網走番外地」の歌詞をはじめ、代表曲の1つ「唐獅子牡丹」の「義理と人情を秤(はかり)にかけりゃ」などが流行語になっている。15年前にひそかに録音していた2曲も、その歌詞と歌声は深く鮮烈で、今後その存在が注目されそうだ。

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2014年11月19日のニュース