石原さとみ 4年前の「空白の1カ月」が色気の源に

[ 2014年11月18日 11:00 ]

フジ「ディア・シスター」での演技が好評な石原さとみ

 石原さとみ(27)の色っぽさが止まらない。松下奈緒(29)との姉妹役でダブル主演しているフジテレビドラマ「ディア・シスター」(木曜後10・00)で奔放な妹、美咲を好演。男女問わず視聴者から「セクシー」「たまらない」などの声が上がっている。あふれ出るフェロモンの源はどこにあるのか?探ってみると、4年前に経験した「空白の1カ月」が関連していた。

 目のやり場に困りつつ視線はいってしまう。色気が、画面からあふれ出る。そんな新作ドラマへの評判を伝えると、肉厚な唇が、ゆっくりと開く。

 「女優なので、そういうシーンだったらそういうふうにする、というだけで…。特に意識はないですね」

 “エロ路線”を固めたわけではないと話しつつ、「ま、女性ですから、色気があると言っていただけるのは、ありがたいことです」と、いたずらっぽい含み笑い。いかん、ナマは特に刺激が強すぎる。

 多くの伏線が張られた高度なストーリー展開や、複雑な男女の人間模様が高い支持を受けている「ディア・シスター」。その中にあって、もう一つの見どころと言われるのが石原のセクシーさ。演じるのは、男性関係にだらしないトラブルメーカー。入浴シーンやディープキス、シーツにくるまれた姿で男を誘うシーンなど、役柄通りの直接的な表現の連続だ。

 でも、それだけではない。男の顔や肩に指をはわすしぐさ、何げない表情。見る者の魂を刺激する、趣の深いエロスが随所に見られる。

 放送開始まもなく、ネット上でも話題沸騰。共演の男性陣の間では、本気でほれてしまうのを防ぐため「目を見るな!」が合言葉になっているとか。俳優の恋人たちの間では、“彼氏に共演してほしくない女優No・1”と呼ばれるなどの噂までささやかれるほどだ。

 不思議だ。かつて取材をしたときは、真面目オーラ満載。失礼ながら、どちらかといえばあか抜けない印象だった。「以前は、生徒会長みたいな見た目でしたよね」と水を向けると、「フフフ…」とほくそ笑む。

 何が「石原さとみ」を変えていったのか。聞くと、「確かに、何かが変わりましたね。きっかけは4年前にあると思います」と、転機となった出来事について話し始めた。

 「初めて長いお休みを頂いて、1カ月間、一人旅に行ったんです。その前と後で、自分がガラリと変わりました」

 2010年の年末に、たまたまスケジュールの空白ができ、米ニューヨークに語学留学。異国の地では、誰も石原を女優だとは知らない。

 「女優石原さとみではなく、プライベートの自分として過ごせたことが大きかった」

 旅に出る前は「仕事のスケジュールはもちろん、着るものや食べるものに至るまで、周りのスタッフが言うことをそのまま実行していただけだった」と振り返る。「でも、米国での1カ月は、自分のありとあらゆることを全て自分自身で決定せざるを得なくて、それがとても新鮮だったし、解放感がありました」と話す。

 15歳で芸能界に身を投じてからは、何も分からないまま周囲のお膳立てに身を任せ、成長さえもどこか人任せという自分に違和感を覚えつつも、見て見ぬふりをする部分があったという。しかし、1カ月の空白期間が「自分でプロデュースすることの楽しさを実感させてくれた」と、生き方さえも変えたと強調する。

 肩の力も抜け、「旅に出る前よりも生きていくのが楽になり、楽しくなった。“無理するのやめよう”とか、“人の目を気にするのやめよう”とか、自然にマイペースでいられるようになりました」。

 私生活にも小刻みに変化が訪れる。「ここ4年くらいで、マネジャーさんが代わったり、兄が結婚して子供が生まれたり、親友といる時間が増えたり。徐々に動きがあって、自分自身が変わっていきました」

 人との交流が増える中で、もともと興味があったメークもますます好きになった。

 「明らかに、前よりも興味が深まりましたね。好みのメークも増えましたし、役によって変えるようになった。そういう意味では、おっしゃるような雰囲気の変化にもつながっているのかもしれませんね」

 内面も変化したのだろうか。どちらかといえば松下演じる真面目な姉に近いのか。それとも役柄さながらにあけすけな部分もあるのか。

 「中間くらいです。美咲ほど奔放でもないし、真面目じゃない部分もある。でも真面目です!料理も好きで、健康食が大好きですし。ただ、今は実際に美咲を演じているので、自分自身がどこにいるのか、分かんないですね」

 収録開始後は、「寝る時間を確保することで精いっぱい」というハードさ。「食べる、叫ぶ、怒鳴るシーンが多くて、朝イチからテンションを上げるのが大変な日もある」と苦笑いしつつ、「凄く楽しんでやってる感じは、自分の中であります」と充実の表情を見せる。

 「食べる」という話題の中で、和風な一面が見える。多忙な中でも欠かさないのが「ぬか漬け」。小悪魔的な女性を演じ、世の男性を魅了したフジテレビドラマ「失恋ショコラティエ」で共演した水川あさみ(31)に教わった。「ぬか床というと、毎日かき回すイメージかもしれませんが、週1回かき混ぜればいいので簡単。発酵食が好きですし、保存もできるし、重宝しています」と笑顔を浮かべる。

 「寝かせ玄米をやっています」と、聞き慣れない言葉も飛び出す。玄米を小豆、塩少々とともに炊き上げ、炊飯器で3日ほど寝かせることで、硬くて水気のないイメージの玄米が、軟らかくもちもちに炊き上がる調理法。これにハマっているんだとか。ダイエットや美容への効果も高いとされ、女子力を上げている一つの要因かもしれない。

 グランプリを受賞した02年の「ホリプロタレントスカウトキャラバン」の大会テーマは「ピュアガール」だった。無垢(むく)な美しさの一方、どこかあか抜けなかった少女が今、満ちあふれる女子力をまとい、人々を魅了する存在になった。さまざまな経験の末に磨かれた「女優石原さとみ」は、さながら玄米からぬかを除いた白米のように、強烈な艶を放っている。

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