英国生まれの“130歳”ビクター犬 日本の“アイドル”認定

[ 2014年11月3日 08:00 ]

「ベストアイドルドッグ」認定のタスキを掛けられたニッパー

 家電メーカー「日本ビクター」(現JVCケンウッド)のシンボルとして世代を超えて親しまれてきたイヌの「ニッパー」が、日本で長年愛される犬を顕彰する「ベストアイドルドッグ」に選ばれた。1並びの11日に正式認定される。過去には「忠犬ハチ公」「パトラッシュ」「わさお」なども選出されており、生誕130周年の節目を迎えたニッパーに新たな称号が加わる。

 「アイドルドッグ」は「いい(11)ワンワン(11)」の語呂合わせにちなんで毎年11月11日に向けて発表される。09年に始まり今回が6回目。関係者によると、「亡き主人をいつまでも忘れずに思い続け、人とイヌとの絆を証明した」という理由でニッパーが選出された。詳細は後日発表される。

 ニッパーは1884年に英国で生まれたオスのフォックス・テリア。飼い主の画家が名付け親で、いつも訪れた人の足をかもうとしたため、英語で「かむ」を意味する「ニップ(nip)」から付けられた。

 ニッパーを説明する上で欠かせないのが、蓄音機に耳を傾ける構図。基になったのは、亡くなった飼い主の弟が描いた1枚の絵。生前録音された飼い主の声が蓄音機から聞こえてきたため、不思議そうにのぞく姿が描かれている。題名は「His Master’s Voice(彼の飼い主の声)」。この頭文字は、外資系CDショップ大手「HMV」の由来にもなっている。

 日本では「ビクター犬」として浸透しており、かつて日本ビクター製のステレオやテレビなどには社名とともにこのマークがついていた。同社の流れをくむ大手レコード会社「ビクターエンタテインメント」が発売するCDパッケージの裏にはいまでも刻まれている。

 80年代にはニッポン放送「ビートたけしのオールナイトニッポン」でツッコミの言い回しを考える「ビクターの犬」コーナーもあった。フォークデュオ「19」はマークをモチーフにしたジャケットを02年発売のライブ盤に採用。ユニークなところでは、岡山県倉敷市の骨董(とう)品を取り扱う「倉敷山陽堂」が、屋根の上に多数のニッパーの置物を飾っており、マニアの間で隠れた観光スポットになっている。

 ≪28万円指輪発売へ≫生誕130周年記念企画として28万円(税抜き)の指輪も発売される。銀やプラチナでできており、限定130個の完全受注生産。値段はニッ(2)パー(8)にちなんだ。11日からビクターオンラインショップなどで注文を受け付ける。

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