斎藤佑 持ってる発言“後悔”「言わなきゃ…」復活へ汗流す

[ 2014年9月17日 06:00 ]

石橋貴明のインタビューに応じる日本ハム・斎藤佑樹(左)(C)TBS

 日本ハムの斎藤佑樹投手(26)が17日放送のTBS「石橋貴明のスポーツ伝説…光と影」(後9・00)に出演。早大時代の“持ってる発言”について「言わなきゃよかったですね」と苦笑い。“後悔”とも取れる思いを吐露した。

 番組MCを務める「とんねるず」の石橋貴明(52)が自ら現場に赴き、直接インタビューもするドキュメンタリー。今年4月に続く第2弾となる今回は、日本ハム2軍の本拠地・鎌ケ谷球場(千葉県鎌ケ谷市)を訪れた。ロッカールームで行われた取材は約1時間に及んだ。

 斎藤は今年7月31日、ロッテ戦(QVC)に先発。6回を6安打1失点7奪三振の粘投。12年6月6日の広島戦(札幌ドーム)以来、785日ぶりの白星を挙げた。しかし、8月15日に出場選手登録を抹消された。

 インタビューの途中、こんなやり取りがあった。

 石橋「言ってたじゃない、自分も。早稲田大学で勝った時に“自分は持っていると思います”って」

 斎藤「言わなきゃよかったですね」

 2006年“ハンカチ王子”として早実を夏の甲子園初優勝に導いた斎藤は早大に進み、07年6月17日、全日本大学選手権決勝・東海大戦で優勝投手に。史上初の1年生MVPに選出され「一生何か持っているというか、こういう人生なのかなと思います」と語った。

 10年11月3日には、東京六大学秋季優勝決定戦・慶大戦で4季ぶり42度目の優勝。「何か持ってると言われ続けてきましたが、何を持っているのか確信しました。それは仲間です」と名言を残した。

 10年オフのドラフトで4球団の競合の末、日本ハムが1位指名。ヤンキース・田中将大投手(25)巨人・坂本勇人内野手(25)広島・前田健太投手(26)らと“ハンカチ世代”と呼ばれるが、プロ4年目で通算12勝16敗と苦しんでいる。
 
 シーズン中の異例の取材対応。番組を企画した編成部の菊野浩樹氏は「出演交渉がスムーズにいくとはとても思っていなかった」と振り返るが、大学時代の先輩がTBSにいたこと、インタビュアーが石橋だった2点が奏功した。

 対談中、帝京高校時代に甲子園を目指した石橋は何度となく早実の壁にはね返された思い出を語った。また、斎藤は「右肩関節唇損傷」に苦しむが、石橋も2~3年前にスキーで同じケガをし、リハビリのつらさを身をもって知っている。石橋は聖地のスターの反攻を期待し、熱いエール。斎藤は石橋と初対面ながら、感情がシンクロしたのかもしれない。

 取材現場に立ち会い、斎藤の言葉を初めて生で聞いた菊野氏は「『(持ってると)言わなきゃよかった』と言える斎藤投手もすごいじゃないですか。上から目線で言うわけじゃないですけど、人間って自分の弱さや苦しさを認めてから新しい成長があると思うんです。斎藤投手が表舞台でもう1回、輝く時が来ると感じた言葉でした」と復活を確信する。

 今回、ともすればチヤホヤされた過去の自分と向き合った背番号18。785日ぶり勝利のヒーローインタビューで「僕の第二の野球人生が始まります」と高らかに宣言した。巻き返しへ2軍で汗を流す日々は、再び手にする栄光につながっている。

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