山口洋子さん死去「よこはま・たそがれ」「夜空」作詞、直木賞作家

[ 2014年9月16日 05:30 ]

山口洋子さんは五木ひろしとのコンビでヒットを連発した(71年5月の対談)

 五木ひろし(66)のヒット曲「よこはま・たそがれ」「夜空」などで知られる作詞家で直木賞作家の山口洋子(やまぐち・ようこ)さんが6日午前1時6分、呼吸不全のため、東京都内の病院で死去した。77歳。愛知県名古屋市出身。葬儀は近親者で済ませ、お別れの会を後日行う予定。昭和歌謡界を彩り、野球評論でも知られた名作家の悲報に、芸能界や球界からも驚きと悲しみの声が寄せられた。

 関係者によると、山口さんが体調を崩したのは12年暮れごろ。手術を経て退院後、昨年1月には誤嚥(ごえん)性肺炎で入院。転院や入退院を繰り返しながら一時は散歩できるまで回復した。

 寝食を50年間ともにした事実上のパートナーでキックボクシングの生みの親でもある「野口プロモーション」の野口修氏(80)によると、入院中は会話もできず「食事は鼻からチューブで栄養剤を入れる」状態まで衰弱。5日に容体が急変し、最期は野口氏とマネジャーにみとられながら眠るように息を引き取ったという。

 10日に身内だけで告別式を執り行った。喪主は妹の安原多恵子(やすはら・たえこ)さん。野口さんは「こんなに早く逝ってしまうとは…明るくきらびやかで、人を引きつけることに特質な才能がありました。素晴らしい女性でした」と話した。

 各界に華やかな人脈を築いた山口さんが、最初に志したのは女優の道。京都女子高を中退、57年に東映ニューフェース4期生としてデビュー。道半ばで断念して19歳の時、東京・銀座にクラブ「姫」を開業。映画スターや作家、政財界、スポーツ選手が出入りする人気店のママとなった。

 高級クラブ経営の傍ら、68年ごろから作詞活動を開始。作曲家の故猪俣公章氏とのコンビで内山田洋とクール・ファイブの「噂の女」などを手掛けた。

 五木とのタッグでは71年に「よこはま・たそがれ」を大ヒットさせ、「夜空」で73年の日本レコード大賞を受賞。「ふるさと」「千曲川」などヒット曲を連発した。

 五木にとっては、曲を提供してくれる一作家以上の恩師。「三谷謙」の芸名で活動していたころ「よこはま・たそがれ」の発売と同時に「五木ひろし」に4度目の改名に踏み切らせたのが山口さんだった。親交のあった作家五木寛之氏にちなんだほか、「いいツキを拾おう」の意味もあり、改名後は押しも押されもせぬ大歌手に成長させた。

 中条きよし(68)の「うそ」など、作曲家平尾昌晃氏(76)とのコンビでもヒット曲を量産。「ブランデーグラス」「北の旅人」など故石原裕次郎さん(享年52)の代表曲も手掛けた。

 小説の執筆活動は80年代から。85年に「演歌の虫」「老梅」で直木賞を受賞。クラブでの体験をヒントに、男女の濃密な恋愛や仕事に命を懸ける男たちを描いた。

 ◆山口 洋子(やまぐち・ようこ)1937年(昭12)5月10日、愛知県生まれ。81年「女心は港の灯」で古賀政男記念音楽賞を受賞。作家としては84年に吉川英治文学新人賞受賞。エッセイストとしても「あなたのセックスわたしのセックス」など、男女の性と向き合った著書を多く残した。

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