温和な裁判官がASKA被告に辛らつ「自分本位でごう慢」

[ 2014年9月13日 05:30 ]

ASKA被告

 ASKA被告の判決公判で、植村幹男裁判官は有罪を言い渡した後に「(被告は)大切なものは何か、一から考え直して」などと説諭した。家族への愛情が希薄に感じられるASKA被告を批判し、薬物犯罪が増加する社会への警鐘を込めたものとみられる。“裁判官ウオッチャー”の長嶺超輝氏(39)は「内容は芸能人を意識しない、バランスの良い説諭」と評価した。

 「今回の事件を通して、感じたことを私見として、ひと言述べさせてもらいます」。判決を言い渡した後、植村幹男裁判官が切り出した。

 こわもてのルックスながら、語り口は柔らかで歌手の加山雄三(77)に似ていた。穏やかな雰囲気で、ASKA被告への辛辣(しんらつ)な言葉を並べた。最初に「あなたを信じて支えてくれた家族や多くの関係者を犯罪という形で裏切りました。社会のルールや、周囲の人たちをかえりみる姿勢はなく、自分本位でごう慢な考え方が見受けられる」と厳しく指摘。加えて「薬物依存からの脱却はもちろん、社会で生きていく上で大切なものは何なのか、一から考え直してほしい。それが裏切った人への償いの第一歩」と反省を促した。

 「裁判官の爆笑お言葉集」(幻冬舎新書)などの著書があるフリーライターの長嶺超輝氏によると、植村裁判官は「あまり説諭などを言わないタイプ」という。静岡地裁、仙台高裁の判事などを歴任。今年5月には、韓国人女性とうその婚姻届を出した、大相撲の元関脇に懲役1年6月(執行猶予3年)を言い渡している。温和な性格で知られているという。

 先月28日の初公判で、愛人の栩内香澄美被告を「大事な存在」とした一方、洋子夫人ら家族への愛情や感謝がみられないことを批判したとみられる最初のくだりを含め、あえて説諭した背景には、危険ドラッグなど薬物に手を出す若者らへの警鐘を鳴らす目的もあるとみられる。芸能人の薬物犯罪が社会に与える影響は大きく、長嶺氏は「法廷から社会へのメッセージとも考えられる」と分析する。

 09年に覚せい剤事件を起こした元女性アイドル歌手への説諭も「ドラマや映画でいろんな役をしてきたと思うが、これは現実」と厳しいものだった。ただ今回の植村裁判官の説諭は、芸能人を意識した言葉が入っていない。長嶺氏によると「芸能人だから説諭した一方で、内容はそこに触れていない。地に足の着いた、非常にバランスの良い説諭」だという。

 ASKA被告は表情を変えず、説諭に聞き入った。植村裁判官の言葉は、その胸にどう響いたのだろうか。

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