ASKA被告 栩内被告は「大事な存在」…初公判で愛の告白

[ 2014年8月29日 05:30 ]

ASKA被告

 覚せい剤取締法違反(使用、所持)罪などに問われている歌手のASKA(本名宮崎重明)被告(56)の初公判が28日、東京地裁で開かれた。ASKA被告は4年前から覚せい剤を使っていたと明かし、起訴内容を全面的に認めた。一方で、ともに同罪で逮捕・起訴された栩内(とちない)香澄美被告(37)について「大事な存在」と、法廷で愛の告白をした。裁判は即日結審し、判決は来月12日に言い渡される。

 ASKA被告は保釈時と同じ、黒いスーツに黒縁の眼鏡をかけて入廷。傍聴席に向かって一礼すると、裁判官や検察官にも頭を下げた。植村幹男裁判官から職業を聞かれ「歌手です」とかすれた声で返答。起訴内容について異論を問われると「いや、何もありません」と全面的に認めた。

 ハスキーボイスは被告人質問でも変わらず、表情を変えずに淡々と答えた。弁護側の質問に対し、20年前にロンドンで初めて合成麻薬MDMAを使い、覚せい剤を使用し始めたのは10年夏だったと説明。覚せい剤に手を染めた理由については「00年から医師に処方されていた睡眠導入剤や眠気を覚ます薬が効かなくなったから」と述べ、「興味もあった」と付け加えた。

 昨年8月に週刊文春に違法薬物使用疑惑が報じられた時期は使用を中断していたが、わずか3カ月後の同11月に再開。その後、今年3月にMDMAを買い、同4月には再び覚せい剤を購入したという。

 反省の色を見せる一方で、仰天発言もあった。被告人質問で検察側に「栩内被告のことをどう思うか?」と聞かれると「大事な存在だと思う」と即答。「好きな人か?」と重ねて問われると「はい」と言い切った。この30分ほど前に「寄り添って夫を支えていく」とする洋子夫人のかいがいしい情状証言が弁護人によって代読されただけに、堂々と飛び出した愛人への愛の告白に、驚いて顔を見合わせる傍聴者もいた。

 この日唯一、語気を強めたのは検察側による栩内被告に関しての質問が続いた時だけで同被告への特別な思いをうかがわせた。「今後の関係は?」と質問されると、「ここで答えることはできない」とし、栩内被告との関係を断ち切りたくないという本音ものぞかせた。

 ASKA被告は保釈後、入院を続け今後も薬物依存治療を続ける意思を示し、弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。検察側は「長期にわたり違法薬物を使用し、常習性が高い」として、初犯の薬物事犯としては重い懲役3年を求刑した。

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