河瀬監督「2つ目の窓」パルムドール逃す カンヌ映画祭

[ 2014年5月25日 02:49 ]

カンヌ国際映画祭の授賞式の会場に到着した河瀬直美監督(中央)ら

 第67回カンヌ国際映画祭の授賞式が24日夜(日本時間25日未明)行われ、コンペティション部門に日本から唯一出品された河瀬直美監督(44)の新作「2つ目の窓」(7月26日公開)は最高賞「パルムドール」を逃し、無冠に終わった。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督(トルコ)の「冬の眠り」が受賞した。短編コンペ部門に出品されていた東京芸大大学院の佐藤雅彦教授と教え子の計5人が監督した「八芳園」も受賞はならなかった。

 河瀬監督は同映画祭と縁が深く、1997年「萌の朱雀」は史上最年少27歳のカメラ・ドール賞(新人監督賞)に輝き、2007年には「殯の森」がグランプリ(審査員特別大賞)を受賞した。今回、惜しくも“3つ目の栄誉”はならなかった。

 09年には功労賞「金の馬車賞」を女性、アジア人として初受賞。昨年はコンペ部門の審査員を務めた。日本人としては1996年、衣装デザイナーの石岡瑛子さん(享年73)が務めて以来17年ぶり、映画監督としては初だった。

 映画は鹿児島県・奄美大島を舞台に親の死や失踪、初恋などを通して少年(村上虹郎)と少女(吉永淳)が成長する姿を描く。20日に公式上映が行われ、河瀬監督は「私たちの映画に懸ける思いは世界一」などと語っていた。

 ▼最高賞(パルムドール)=「冬の眠り」(ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督)トルコのカッパドキアでホテルを経営する元俳優が、離婚の痛手を抱えた妹や心が離れた若い妻とぶつかり合うドラマ。

 ▼審査員特別大賞(グランプリ)=「ワンダーズ」(アリーチェ・ロルバケル監督)

 ▼監督賞=ベネット・ミラー監督「フォックスキャッチャー」

 ▼脚本賞=アンドレイ・ズビャギンツェフ、オレグ・ネーギン「リバイアサン」

 ▼審査員賞=「マミー」(グザビエ・ドラン監督)「言語よさらば」(ジャンリュック・ゴダール監督)

 ▼最優秀男優賞=ティモシー・スポール「ミスター・ターナー」

 ▼最優秀女優賞=ジュリアン・ムーア「マップス・トゥ・ザ・スターズ」 

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