「美味しんぼ」福島の真実編最終話に作者の“信念”

[ 2014年5月19日 05:30 ]

福島第1原発事故をめぐる描写が波紋を呼んでいる「美味しんぼ」。4月28日発売号(右)と5月12日発売号

 東京電力福島第1原発事故による健康影響の描写が議論を呼んだ漫画「美味しんぼ」(雁屋哲・作、花咲アキラ・画)の「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)最新号(19日発売)に掲載されている第604話で、「福島の真実」編が終了。作品は次号からしばらく休載する。

 4月28日発売号では主人公らが東京電力福島第1原発を訪問後に鼻血を出すなどの描写があり、5月12日発売号では福島県双葉町の井戸川克隆前町長が鼻血の原因をめぐり「被ばくしたからですよ」と語る場面が描かれた。

 一連のシリーズの最終話となる今号では主人公らが「今の福島に住み続けて良いのか、われわれは外部の人間だが、自分たちの意見を言わねば」「自分たちの意見を言わないことは、東電と国の無責任な対応で苦しんでいる福島の人たちに嘘をつくことになる」など作者の信念とも言えるメッセージが込められている。

 原作者の雁屋哲氏(72)は一連の表現に対する反響に対し4日、自身のブログで「ここまで騒ぎになるとは思わなかった」「もっとはっきりとしたことを言っているので、鼻血ごときで騒いでいる人たちは発狂するかもしれない。今まで私に好意的だった人も、背を向けるかもしれない」とつづっていた。

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2014年5月19日のニュース