ゴジラ、ハリウッド版公開 原発事故、地震の場面も

[ 2014年5月17日 09:50 ]

タイムズスクエアに掲げられたハリウッド版ゴジラ映画の16日公開を伝える看板

 今年で生誕60年になる特撮怪獣映画「ゴジラ」のハリウッド版「GODZILLA」の新作が16日、全米で一斉に公開された。米国の水爆実験に着想して生まれたゴジラだが、今回の作品も東日本大震災を念頭に置いたとみられる原発事故や地震の場面がある。米各紙も取り上げ、高い関心を呼んでいる。日本での公開は7月25日。

 ニューヨーク中心部にある映画館では午前9時に上映が始まった。コンピューターグラフィックス(CG)を駆使し、ハリウッドらしくゴジラと別の巨大怪獣との戦いも派手に描いた。日本やハワイ、米西海岸が主な舞台だ。

 映画館に一番乗りしたジョン・デグリさん(66)に上映後、感想を聞くと「これはこれで良いが、小さい時に見た第1作(を基にした米国版)は忘れられない。人間社会へのいろいろなメッセージが詰まっていた」と語った。

 第1作は1954年に日本で公開された。広島、長崎への原爆投下の記憶も新しく、ビキニ環礁での水爆実験に伴い第五福竜丸が被ばくしたのは同じ年だ。核への恐怖が映画の底流にあった。

 映画はシリーズ化され、ゴジラは世界で親しまれてきた。新作公開前、ニューヨークのデーリー・ニューズ紙は「60年間、ゴジラ映画で何も変わらなかったものが一つある。社会が抱く恐怖をゴジラが体現している点だ」と指摘した。

 新作には科学者役で渡辺謙が出演している。第1作のゴジラは50メートルの大きさだが、今回は100メートルを超える。

 話題性が高く、15日夜には一部の映画館で先行上映された。交流サイト「フェイスブック」では「ファンならすぐに駆けつけよう」といったメッセージが飛び交った。

 ニューヨーク・ブルックリン地区の映画館の支配人は16日「先行上映のチケットはほぼ完売。きょうも朝から多くの人が来ている」と話した。(共同)

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2014年5月17日のニュース