茂木健一郎氏「美味しんぼ」叩きに物申す「特別視する理由わからない」

[ 2014年5月13日 13:47 ]

脳科学者の茂木健一郎氏

 小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」の漫画「美味しんぼ」で主人公らが東京電力福島第1原発を訪問後に鼻血を出すなどの描写があった問題について、脳科学者の茂木健一郎氏(51)が13日、ツイッターで持論を展開した。

 今回の描写について茂木氏は「『美味しんぼ』は、以前から、作者の方が強い信念を持って描かれている漫画だと認識している。その延長線上で言えば、今回の福島の原発事故被害について、あのような表現をしても、意外ではないし、むしろ、ああ、おやりになるだろうなという印象しか、私は持たなかった」と驚くような内容ではなかったという考えを示した。

 統計をもとに調査した科学論文ならともかく、「『美味しんぼ』に述べられているのは、あくまでも一人の表現者の見解である」。それに加え「美味しんぼ」以上に原発事故による被害等を指摘する言説が数多く存在する中で、「さまざまな主張が並立するのが民主主義社会というもので、『美味しんぼ』を特別視する理由が、私にはわからない」と「美味しんぼ」を“叩く”風潮に一石を投じた。

 菅義偉官房長官、石原伸晃環境相ら閣僚からも同作への批判が相次いでいるが、それに対し「それ以上にわからないのが、一部の政治家が、今回の『美味しんぼ』の表現を問題視し、対応策をとるなどと発言していると伝えられていること」と指摘。「立法府の構成員として、心を砕くべきは福島の復興支援のための立法措置であり、一つの漫画がどのような表現をしたかということをあたかも魔女狩りのようにわめきたてることではないと私は考える」とバッサリ切り捨てた。

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2014年5月13日のニュース