新藤監督次男 「裸の島」のロケ地落札できず

[ 2014年2月14日 11:59 ]

 2012年5月に100歳で死去した映画監督新藤兼人さんの代表作「裸の島」(1960年)のロケ地で、競売に掛けられた広島県三原市の無人島「宿禰島」の開札が14日、広島地裁福山支部であった。ゆかりの場所として残すため三原市に寄贈しようと入札した新藤監督の次男は落札できなかった。

 10件の入札があり、広島県福山市の男性が約779万円で落札した。

 新藤監督の次男で近代映画協会の新藤次郎社長の入札額は302万円で「ここまで参加者が多いとは。上野さんと交渉して島を買い取りたい」と悔しそうに話した。俳優の柄本明さんら映画関係者と募金活動に取り組み、約700人の賛同があったという。

 島は三原市の沖合約1・5キロで、市によると面積は0・74ヘクタール。売却基準価額は259万1千円。地権者の財産管理をめぐる問題で競売が決まり、2月3~10日に入札が実施された。落札した上野さんは「海が好きで、瀬戸内海の島が買えるというので参加した」と話した。

 映画は水や電気のない瀬戸内海の小さな島に住む一家の日常や葛藤を描き、61年にモスクワ国際映画祭グランプリを受賞した。

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2014年2月14日のニュース