高橋大輔への思いから告白 新垣氏「私は共犯者です」

[ 2014年2月7日 05:30 ]

謝罪会見を終え、報道陣に囲まれながら頭を下げる新垣隆氏

佐村河内氏ゴーストライター問題

 新垣隆氏は記者会見で「18年にわたり、彼の代わりに曲を書き続けてきました。私は佐村河内さんの共犯者です」と硬い表情で頭を下げた。

 「現代のベートーベン」と呼ばれた作曲家のゴーストライター。無数のフラッシュを浴びながら、2人の関係について「彼は実質的にはプロデューサー。彼のアイデアを私は実現する。彼の作品を作るために私は協力したんです」と述べた。

 出会いは1996年。「彼が映画の音楽を担当することになり、相談を受けた知人から連絡が来ました」。その後、佐村河内氏の名前で作曲を次々と行い「私の書いた曲が世の中に受け入れられ、うれしかった気持ちがあったのは否めない。自分の中でどう受け止めていいのか分からなかった」と音楽家としての複雑な心境を吐露した。

 佐村河内氏が新垣氏に向け、曲のイメージを示した指示書もあり「ある種のヒントとして私には必要だった」と互いに欠かせない存在だったことをうかがわせた。「共作という形で発表し直すという考えはなかったか?」との質問には「あくまでゴーストライターであるべきだと思った」と18年間、裏方に徹した強い思いものぞかせた。

 一方で「当初は軽い気持ちで曲を書くことを引き受けた」というが、「これ以上、自分の大好きな音楽で世間を欺き続けたくないという気持ちが大きくなった。そもそもの関係が間違っていた」と悔やむようになったという。「何度かにわたり、彼に“もうやめよう”と言いましたが聞き入れてくれませんでした。あなたが曲を書かないと、自殺すると言われた」と明かした。

 今回告白したのは、フィギュアスケートの高橋大輔がソチ五輪で使う曲に、自身の楽曲が選ばれたことが大きい。「高橋選手までもが“彼と私のウソを強化する材料”になってしまうと思いました。五輪で演技された後に事実が発覚した場合、偽りの曲で演技したではないかと世界中から日本に非難が殺到するかもしれません」と述べた。

 高橋が曲目を替えないことを発表したことに「非常にうれしく思います。事実を知った上で堂々と戦ってほしい」と静かに語った。

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2014年2月7日のニュース