サブちゃん最後のお祭り騒ぎ「涙を飲み込んだよ」

[ 2014年1月1日 05:30 ]

龍に乗って熱唱する北島三郎

 NHK「第64回紅白歌合戦」が31日夜、東京・NHKホールで開催された。最後の紅白となった北島三郎(77)は紅組、白組の後輩歌手らに囲まれ大トリで「まつり」を熱唱。涙をこらえ「これで紅白を卒業させていただきます」と慣れ親しんだステージに別れを告げた。大ヒットドラマ「あまちゃん」企画も行われ、25年ぶりに紅白に出演した小泉今日子(47)らが歌声を披露した。なお、2年連続で白組が勝ち、対戦成績を35勝29敗とした。

 最高の「まつり」だった。故美空ひばりさん(享年52)と並ぶ史上最多の11回目の大トリ。しかも、紅組、白組の垣根を越えた“究極の大トリ”だ。

 高さ約6メートル、上下に動く巨大な白竜のセットに乗り登場。リフトで降りて歌唱を続けると、天童よしみや藤あや子ら後輩歌手は泣きながら握手を求めてきた。「これが日本のまつりだよ」と威勢良く歌い納めた顔はまさに晴れやか。放送終了後に「友達がみんな泣いてくれたから、泣くと格好悪いなと思って涙をのみ込んだよ」と豪快に笑った。

 大好きな紅白への思いはド派手なセットに秘められていた。開演前に担当記者の合同取材に応じた。近年は出演者の若返りが進み、合戦色が薄れて視覚的に見せる演出が増えた。こうした傾向から「“見た目で楽しめる紅白”であってほしいね。未来へつながるような歌の祭典にすればいい」と強調。50回目でもっとも大掛かりなセットにしたのも、自身のラストステージで「紅白はお祭り」というメッセージを伝えるためだった。昭和最後となった88年(第39回)、21世紀最初の放送となった01年(第52回)など時代の節目を大トリとして歌い納めてきた“お祭り男”は「来年の暮れにはゆっくり旅行に出るかもなあ」と柔和な笑顔で話した。

 後進へ道を譲るために決断した紅白卒業。その旗手として指名したのが“究極の大トリ”を務めた自身へ歌いつないでくれたSMAPだ。前日の出演者顔合わせでは「これからはあなたたちの時代。頑張ってほしい」と声を掛けた。

 期待通り花道のステージでお祭り騒ぎをしてくれた後輩に見守られ、北島は「ありがとうございました」と感謝を5度口にしてサブちゃん流に紅白から一線を引いた。

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2014年1月1日のニュース