母葬儀で獅童号泣「おふくろがつくった最高傑作になる」

[ 2013年12月21日 05:30 ]

喪主あいさつを終え、涙をぬぐう中村獅童

 歌舞伎俳優中村獅童(41)の母で心不全のため17日に73歳で死去した所属事務所代表の小川陽子(おがわ・ようこ)さんの葬儀・告別式が20日、東京都港区の梅窓院で営まれた。歌舞伎関係者ら約500人が参列し、最後の別れを惜しんだ。喪主を務めた獅童は涙ながらにあいさつ。「おふくろがつくった最高傑作と言われるような役者になります」と誓った。

 獅童はこぼれる涙を拭わずに、あいさつに立った。最愛の母を亡くし「自分は弱い人間です。思っている以上にお母さん子だったみたいで、おふくろがいないと何もできないんだなということが、今ごろになって分かりました」と思いを吐露した。

 陽子さんは、7歳から歌舞伎界に入った獅童を“ステージママ”として支え続けた。松竹の安孫子正専務取締役(65)は弔辞で、陽子さんが息子の楽屋を準備するため重い鏡台を背負い、運んでいる姿を見たというエピソードを紹介。「獅童さんに対する並々ならぬ思いと深い愛情を感じた」と振り返った。

 その母の突然の死。獅童は交際中の元読者モデルの女性を陽子さんに紹介し、再婚準備を進めていたこともあり、そのショックは大きく「涙一つ見せず、気丈に振る舞いたいところでございますが、まだまだダメです」と声を震わせた。

 それでも、悲しんでばかりはいられない。この日も葬儀後、夕方からの歌舞伎座公演に出演。来年も1月から舞台が控え、2月には母親を捜す旅の珍道中を題材にした舞台「母をたずねて膝栗毛」に出演する。

 獅童は「おふくろがつくった、小川陽子がつくった最高傑作だったと言われるような役者になれるよう頑張ります」と誓い、最後は「お母さん、本当にありがとう!」と天国の母親に向けて叫んだ。

 この日は中村勘九郎(32)前田愛(30)夫妻、歌手の吉川晃司(48)らが弔問に訪れた。戒名は花好きで和やかな人柄を意味する「華香院陽和大姉(かこういんようわだいし)」。棺の中には愛用のサングラスと扇のほか、獅童の役者仲間が書いた手紙が納められた。

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