阿久悠さん 未発表の詞あった!新たに曲つけCD発売へ

[ 2013年12月20日 05:30 ]

「こどもへの阿久悠」のジャケット

 07年に他界した作詞家阿久悠さんが、子供向けに書いた未発表の詞が、新たに曲をつけてCD発売される。

 79年頃に書いた「うちのニャンコは大先生」で愛猫家の阿久さんが、自由気ままに暮らす猫の様子をコミカルに描いた。アニメや特撮の主題歌など、阿久さんの子供向けの曲を集めた2枚組のベストアルバム「こどもへの阿久悠~かつてこどもだったあなたへ、そしてそのこどもたちへ」(25日発売)に収録する。

 没後に所属事務所で原稿を発見。阿久さんは77年、「子供の心の中の衝動を取り戻させたい」と、子供向けレーベル「ぱくぱくぽけっとレコード」を設立。このレーベル用に書いたものだった。ベスト盤制作にあたって曲をつけ、アニメ「ドラえもん」の映画主題歌などを歌うシンガーのmaoが歌って完成した。

 モデルとなった猫は、75年頃から阿久家で飼っていたペルシャ系のアール(通称ニャンニャン)。阿久さんはアールを愛してやまず、家族さえ入れなかった仕事部屋にも自由に出入りさせていたほど。アールが外出して帰ってこない時は、「ニャンニャン!ニャンニャン!」と呼びながら捜し回ったという。

 アールとの生活は8年続いた。当時は「勝手にしやがれ」「UFO」「もしもピアノが弾けたなら」など、ヒット曲を連発しまくった時期。それら名曲を書く姿を、アールは机に寝転がって見ていた。阿久さんは「ニャンニャンが机の上にいると、とたんに仕事がはかどった」と話していた。未発表の詞には、アールへの愛が詰まっている。

 今作と同時に「おとなへの阿久悠~酒場で聴きたい名歌たち」も発売される。

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