島倉千代子さん 幻の大阪企画あった…浜村淳“歌ってほしかった”

[ 2013年11月13日 08:16 ]

浜村淳

 タレントの浜村淳(78)が12日、スポニチ本紙取材に応じ、8日に肝臓がんで亡くなり14日に葬儀が行われる島倉千代子さん(享年75)について「日本人の叙情を切々と歌える最後の人が亡くなってしまった」と悼んだ。

 島倉さんとは数十年来の親交があった。最後に会ったのはことし4月中旬、大阪市内で開催された島倉さんが所属したレコード会社・日本コロムビアの演歌イベント。島倉さんは出演し、浜村は司会を務めた。当時、島倉さんの病気は明かされておらず、「お互いに長いこと(現役で)やってるなあ」と笑い合ったが、歌声は「持ち味の高音が伸びず、衰えた印象があった」という。

 30年以上前、フランク永井さんの「こいさんのラブ・コール」などを手掛けた作曲家・大野正雄氏を交えて3人で大阪市内のホテルで会食した際には、浜村作詞、大野氏作曲で大阪をテーマにした曲を島倉さんに提供する構想が持ち上がっていたことも明かした。実現に至らぬまま幻の企画に終わり、「島倉さんには大阪を歌う曲がなかっただけに、本当に心残り」と悔しさをにじませた。

 何十回とステージを共にしただけに、意外な素顔を垣間見ることもあった。数十年前、10日間連続開催の音楽イベントで、司会の浜村が1日だけスケジュールの都合で出演できず代役を立てた際、直前まで事実を知らされなかった島倉さんがスタッフに激怒。おっとりした印象が強いが、「芯が強い一面もあった。だからこそ波瀾(はらん)万丈の人生にも耐え抜き、歌い続けられたんだと思う」と振り返った。

 長年一緒に仕事をしてきたが、「昔は、苦労を背負いながらむせび泣くように歌う彼女の生きざまを理解しないまま司会をしていた。今なら、もっと密な掛け合いトークができるはず。島倉千代子ワンマンショーの司会をさせていただきたかった」と肩を落とした。 

続きを表示

2013年11月13日のニュース