北村総一朗 後輩・石田さん悼む「青春時代のかけがえのない戦友」

[ 2013年9月23日 16:34 ]

後輩の石田太郎さんをしのんだ北村総一朗

 俳優の北村総一朗(77)が23日、自身のブログを更新し、21日に急死した声優で俳優の石田太郎さん(享年69)をしのんだ。

 劇団昴の前身、劇団雲時代からの先輩、後輩の仲。「太郎がいなくなった」と書き出し「もう、どこを探しても見つからない。ふと街角で会うことも、偶然、エレベーターに乗り合わせて『よう!久しぶり。元気か?』と、声を掛けたりする事も、絶対になくなってしまった。9歳年下の後輩が、私より先に逝ってしまう。天は、なんと、理不尽なことをするものか」と喪失感の大きさが文面ににじむ。

 石田さんの劇団雲入団時を「そのガタイの大きさと、笑うとなんとも愛嬌のある表情が印象的だった」と振り返り「そして、その身体からほとばしる力強い美声は、僕らを驚かせたものだ。それ以来我々は『太郎、太郎』と可愛がり、そして、まだ若かった我々はよく喧嘩もした。まさに、青春時代のかけがえのない、戦友の一人だった」と2人の絆を表現した。

 石田さんの2代目「刑事コロンボ」の声を称賛し、山本周五郎原作の舞台「五瓣の椿」(2005年6月、明治座)を特筆する。「彼の抑えの効いた演技は、キャラクターが自然に私の心に染み込んできて、その鮮度に興奮したものだ」

 石田さんは父親の跡を継ぎ、石川県金沢市の乗敬寺で住職も務めていた。数年前「総ちゃんのお経は、絶対、俺が上げるからな!」と迫力のある声で電話してきたという。「その約束を果たすことなく、君はいなくなった」。最後は「『演劇』する事に、墓場まで戦い続けた太郎。合掌」と締めくくっている。
 
 北村は「踊る大捜査線」シリーズの神田署長役などで知られ、今月20日、前立腺がんを患っていることを発表した。

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2013年9月23日のニュース