“泣けるスレッド”「ゲーセンで出会った不思議な子の話」が小説に

[ 2013年9月20日 04:10 ]

「ゲーセンで出会った不思議な子の話」表紙

 ネットの掲示板を舞台に“泣けるスレッド”として話題になった「ゲーセンで出会った不思議な子の話」(富澤南著)が書籍化され20日、エンターブレインより発売された。

 昨年1月、4日間にわたって書き込まれたスレッドは「俺:大学生、さえない男。たまの休みや講義の空きにゲーセンに行って格ゲーをやるのが好きだった。そこであった話を、ちょっと書かせて欲しい」という書き出しで始まる“富澤”と名乗る大学生による独り語り。

 ゲームセンターにショートカットの女の子が現れ、富澤は日に日に彼女への思いを募らせていく。しかしある日を境に彼女は、ゲーセンに姿を見せなくなる。その後予期せぬメールが届き「いま、入院しています。よかったら、会いにきてね。わたしのファンさん」。ミステリアスな彼女が抱えていた“がん”という残酷な現実。残り少ない時間を大切に2人で過ごしていく。

 同スレッドは感動的な展開からすぐ話題となり、「哲学ニュースnwk」など複数のまとめブログに転載された。GLAYのHISASHIや漫画家久保ミツロウ氏ら著名人ツイッターでも広がりを見せ、昨年11月に著者自ら創作であったことを告白したが、今なお”泣ける”物語として多くの読者を感動させている。

 今作は当時のスレッドに加筆修正を施し、単行本にまとめたもの。作者の冨澤氏は、ネット掲示板の書き込みによる作品を手掛け、その実体験ような語り口やストーリーで、今後が期待される作家。「ゲーセンで…」がデビュー作となる。

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2013年9月20日のニュース