手術不能の状態から高座復帰も…笑福亭松喬さん肝臓がんで死去

[ 2013年8月1日 08:20 ]

死去した笑福亭松喬さん(2011年撮影)

 上方落語の本格派として活躍した笑福亭松喬(しょうふくてい・しょきょう、本名高田敏信=たかだ・としのぶ)さんが30日午後4時30分、肝臓がんのため大阪市内の病院で死去した。62歳。兵庫県小野市出身。

 関係者によると、松喬さんは27日午前に入院。29日午後9時ごろ、危篤状態になったものの翌30日に一時的に意識が回復した。敬子夫人に「お前のことが大好きや」と声を掛けたというが最期は家族や笑福亭遊喬(49)らに見守られ、息を引き取った。

 松喬さんは一昨年12月に肝臓がんを公表して入院。手術不能の状態だったことから抗がん剤や放射線治療を試み、昨年4月に高座復帰した。ただ副作用から食欲が激減し、今年6月ごろ体調が悪化。同月8、9日に「天満天神繁昌亭」で開いた一門会が最後の舞台となった。一番弟子の笑福亭三喬(52)はこの日、78キロほどあった体重が38キロ程度まで落ちたと明かし「食べることが苦痛と話しておりました」と沈痛な面持ちで語った。

 松喬さんは1969年、六代目笑福亭松鶴さんに入門し、87年に六代目松喬を襲名した。「らくだ」など古典を中心に演じ、上方言葉を大切にした重厚、丁寧な語り口、的確な人物描写で人気を得た。通夜は1日午後6時、葬儀・告別式は2日午後1時から、いずれも大阪市阿倍野区阿倍野筋4の19の115、やすらぎ天空館で営まれる。喪主は長男の健太(けんた)さん。出棺後、霊きゅう車は繁昌亭を経由して火葬場へ向かう。

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2013年8月1日のニュース