日テレ社長が陳謝 「スッキリ」偽被害者問題は「裏付け足りなかった」

[ 2013年7月29日 18:56 ]

 日本テレビは29日、東京・汐留の同局で定例社長会見を行い、情報番組「スッキリ!!」(月~金、前8・00)で詐欺の被害者として放送した2人のインタビューが実際には被害者本人ではなかった件について、大久保好男社長が言及した。

 放送は昨年の2月と6月。インターネットを使った詐欺被害の特集で、取材先の奥野剛弁護士に被害者を紹介するよう依頼し、男女各1人が「貯金を使い果たした」などと証言。しかし、今月に入り、外部から指摘を受けて調査すると、2人は被害者ではなく弁護士の知人であることが発覚。19日の同番組で司会のタレント加藤浩次(44)らが謝罪した。

 大久保社長は「当該弁護士から被害者として紹介を受けた2人が実際に被害を受けていたかどうかという裏付けが足りなかったということで、ああいう放送になってしまった。結果としては(弁護士を)信じてしまったということ。視聴者に誤った情報を与えてしまったという意味で、おわびし、再発防止に努める」と陳謝した。

 「弁護士だからといって、100%信用するなんてことは本来あるとは思えない。とはいえ、弁護士は品位が問われる職業で、弁護士が紹介しているんだからと、いつもより裏付けが十分行えていなかったのかとは思う」と経緯を分析しつつ、「だからといって、それが言い訳にできるものではない。防ぎようがなかったとは言うつもりはない」とすべては現場の裏付け取材が不足していたことが今回の事件の原因であることを改めて認めた。

 奥野弁護士は同局の聞き取りに「自分の判断で紹介した。悪かった」と話しているという。「(取材対象者は)被害の実態を知っていて話している。事実とは違う、でたらめなことをしゃべったわけではないということは認識している」とし、報道された被害実態に偽りはなかったことを強調した。

 放送倫理・番組向上機構(BPO)には報告は済ませている。奥野弁護士に対しては「(法的処置を含めて)さまざまな形でいろいろと検討しています。弁護士会への対応もあると思いますので、今の時点で判断しているわけではない」と話した。

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2013年7月29日のニュース