宮崎駿監督「風立ちぬ」 ベネチア出品!3度目の正直なるか?

[ 2013年7月26日 06:00 ]

6月に「風立ちぬ」完成報告会見を行った(左から)庵野秀明、宮崎駿監督、松任谷由実

 8月28日からイタリアのリド島で開催される第70回ベネチア国際映画祭で、最高賞「金獅子賞」を競うコンペティション部門の上映作品に宮崎駿監督のアニメ「風立ちぬ」が選ばれた。映画祭事務局が25日、発表した。

 スタジオジブリの宮崎監督の5年ぶりの新作で今月20日から公開中。零式艦上戦闘機の設計などを手掛けた航空技術者の堀越二郎をモデルに、堀辰雄の同名小説の内容も盛り込んだ。

 コンペ部門にはこのほか、フィリップ・ガレル監督らの新作19本が出品。宮崎監督の出品は3度目で、04年には「ハウルの動く城」が特別賞「金のオゼッラ賞」を受賞。08年は「崖の上のポニョ」で挑んだ。05年には名作を生み続ける功績が称えられ、「栄誉金獅子賞」を受賞している。

 「風立ちぬ」では劇中、イタリアの世界的飛行機製作者ジャンニ・カプローニをモデルにした人物も登場。同国での映画祭で好意的に受け止められる可能性もある。審査員長も「ラストエンペラー」で知られるイタリア人のベルナルド・ベルトルッチ監督で、“追い風”になりそうだ。

 宮崎監督は「リド島はとてもすてきな島です。今回は映画祭に参加できません。(ジャンニ・カプローニの孫の)イタロ・カプローニさんにお会いできなくて残念です」とのコメントを出した。

 また、先鋭的作品が集まるオリゾンティ部門に園子温監督の「地獄でなぜ悪い」(9月28日公開)が出品される。

 ▽ベネチア国際映画祭と日本人 金獅子賞は51年に黒澤明監督「羅生門」、58年に稲垣浩監督「無法松の一生」、97年に北野武監督「HANA―BI」がそれぞれ受賞。北野監督は03年「座頭市」で銀獅子賞も受賞。三船敏郎さんは61年「用心棒」、65年「赤ひげ」でそれぞれ男優賞に輝いた。

続きを表示

2013年7月26日のニュース