石井岳龍監督 綾野剛オファーのきっかけは朝ドラ「普通っぽかった」

[ 2013年5月24日 15:08 ]

映画「シャニダールの花」トークイベントに出席した石井岳龍監督

 俳優の綾野剛(31)が主演する映画「シャニダールの花」(7月20日公開)のトークイベントが東京都中央区の松屋銀座で開催中の「マミフラワーデザイン展」内で行われ、石井岳龍監督(56)が出席した。

 映画はごく限られた女性の胸にだけ咲く新薬開発に役立つ美しい花「シャニダールの花」の成長をケアする特殊な研究所を舞台に、花を採取する植物学者の大瀧(綾野)と彼を手伝うセラピストの響子(黒木華=23)が花の提供者の女性と触れ合いながら、惹かれ合い、生きることの根源を見つめ直していく異色ファンタジー。

 綾野とは今回が初のタッグとなる石井監督は「初めて仕事をするので、ゆっくり話をして、ゆっくり飲んで、自分のことをさらけだして、まずは信用してもらうことが大事だった。(綾野は)ものすごく(酒が)強いので、最後までは付き合えなかったんですけどね」。

 構想から7年、当初は主演は違う役者を考えていた。「キャスティングは基本的にはタイミングだと思う。それまでも気になる存在ではあったけど、(当初は)彼とは思っていなかった。『カーネーション』を見て、それまで長髪でとんがりすぎていると思っていた綾野君が髪を切っていて、普通っぽかった。今回の役は地に足がついた日常性が必要だったので、それが良かった」と綾野が一躍世間で注目を浴びることになったNHK連続テレビ小説「カーネーション」(11年10月~12年3月放送)が出演オファーのきっかけになったことを明かした。

 「繊細に見えるけど、精神力が強い。とても信用できる。最後まであのテンションなのはすごい」と綾野を絶賛した石井監督。今回の役は特殊の役どころだが、「繊細でなおかつ神秘的。しかし、どこか強い。その辺の危うさだったり、危険性を含めての“ゆらぎ”を表現した。俳優さんには自分の中にあるものを発見してほしいと言っている。(ただ、今回の役は)僕自身と共通項が多い役で、綾野くんは僕を参考にしていたと言っていたけど…自分ではわからない」と苦笑いを見せていた。

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2013年5月24日のニュース