夏八木さん主演「希望の国」園監督が追悼「男を演じられる最後の俳優」

[ 2013年5月12日 18:40 ]

毎日映画コンクールで映画「希望の国」で男優主演賞を受賞した時の夏八木勲さん

 11日に亡くなった俳優の夏八木勲さん(享年73)は原発事故を題材にした映画「希望の国」(監督園子温)に主演。2012年毎日映画コンクール男優主演賞を初受賞したほか、今年3月発表の芸術選奨文部科学大臣賞にも選ばれた。

 昨年10月に公開された“問題作”で、夏八木さんは原発事故に翻弄される酪農一家の父親を演じた。家の目の前で避難区域の“線”が引かれてしまい、息子夫婦(村上淳、神楽坂恵)を送り出し、妻(大谷直子)とともに故郷に残る。

 園監督は「まだ、早い。早すぎる。男を演じたら彼の右に出るものはいなかった。男を演じられる日本最後の俳優。そういう人はもういない」と追悼した。

 今年2月に行われた毎日映画コンクールの表彰式で、夏八木さんは「いい仕事に出合えた」と監督に感謝。東日本大震災にも言及し「決して当事者(被災者)にはなれないし、記憶が薄れていくのが常だが、絶対に僕たちは忘れてはならないと思う」と語気を強めていた。

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2013年5月12日のニュース