名古屋「御園座」社長 整理手続き成立に手応え

[ 2013年3月15日 19:40 ]

 経営再建中の老舗劇場運営会社「御園座」の長谷川栄胤社長は15日、共同通信などのインタビューに応じ、現在進めている私的整理手続きについて「取引先の8金融機関にご理解を示していただいている」と述べ、債権者会議での合意成立に手応えを感じていることを明らかにした。

 御園座は、私的整理の手法である「事業再生ADR」を、国が認める第三者機関に申請した。4月26日の債権者会議で手続きが成立すれば、劇場の建て替えを柱とする事業再生計画が走りだす。

 長谷川社長は、収益を改善するため「新しい劇場に見合った、きちんと収支が出るかたちを作る」と意気込んだ。具体的には新劇場の規模を現在の約1650席から2、3割縮小し、稼働率を高める。格安料金も設定し、ミュージカルなど幅広い演目で顧客の裾野を広げる。不動産賃貸や老人ホームの事業を切り離し、劇場運営に特化する。

 「御園座会館」は今月末に閉館し、入居する飲食店などのテナントも退去する。その後は10月に名古屋市民会館で歌舞伎を公演する。建物の取り壊しは来春の見通し。

 長谷川社長は「経営責任を強く感じている」と強調した上で「この名古屋に劇場文化を残していくことが最大の使命だ」と述べた。

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2013年3月15日のニュース