関テレ報道番組“偽装”映像 取材スタッフ後ろ姿を内部告発者に

[ 2013年3月14日 06:00 ]

 関西テレビ(大阪市)が昨年11月、報道番組で匿名の内部告発者の証言を報じた際、本人ではなく、取材スタッフの後ろ姿の映像を使っていたことが13日、分かった。

 問題があったのは関西ローカルの番組「スーパーニュースアンカー」の昨年11月30日の放送。法律で兼業が禁じられた大阪市職員が、JRの工事現場でアルバイトをしていた実態を扱った。

 同社によると、関係者に局内で内部告発のインタビューをしたが、映像撮影は断られたため、スタッフの後ろ姿を撮影。その映像にモザイクを掛け、声を変えた本物のインタビュー音声と合わせる形で放送した。

 放送の数日後、取材したカメラマンが上司に相談して発覚。社内で事実関係を調査したが、証言自体は間違いなく本人のもので、内部告発者を守るための行為だったと判断し、番組内での訂正や公表はしなかったという。

 だが13日に問題が報じられた後、夕方の同番組で経緯を説明し「不適切な映像表現をおわびします」と陳謝した。取材した記者には口頭で厳重注意したという。

 同社では情報番組「発掘!あるある大事典2」で実験データの捏造(ねつぞう)など多くの虚偽があったことが07年に発覚。当時の社長が引責辞任している。

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2013年3月14日のニュース