明らかな不平等条約…JASRAC 戦時加算の解消要望

[ 2013年2月25日 19:33 ]

 日本音楽著作権協会(JASRAC)は25日、第2次世界大戦の戦勝国の音楽作品などについて、50年と定めている著作権保護期間が日本だけ約10年延長されている「戦時加算問題」を早期に解決するよう、岸田文雄外相に要望した。

 都倉俊一・JASRAC会長は「戦時加算問題が解決されない限り戦争は終わらない」として、米英仏など旧連合国15カ国に対し戦時加算を行使しないよう個別交渉することを求めている。

 日本では、著作権は著作者の死後50年間保護されているが、戦時中に戦勝国の著作権を保護していなかったとして、1941年の太平洋戦争開戦から51年調印のサンフランシスコ講和条約が各国で効力を生じるまでの約10年を加算するよう、同条約の規定で定められている。中国や旧ソ連は条約に署名していないため、対象にはならない。

 要望書でJASRACは、戦争中に交戦国の著作物が保護されていなかったのは双方に共通だと指摘。「一方的に戦時加算の義務を課せられているのはわが国のみ」として、解決を求めている。

 都倉会長によると、岸田外相は「じっくり考えさせてほしい」と答えたという。同会長は「安倍政権は『戦後レジーム(体制)からの脱却』をうたっており、その典型的な事象。明らかな不平等条約だ」と話した。

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2013年2月25日のニュース