中村勘九郎「父の開いた道を耕す」勘三郎さん当たり役挑戦で決意

[ 2013年1月21日 15:56 ]

「赤坂大歌舞伎」製作発表に登場した中村勘九郎

 歌舞伎俳優の中村勘九郎(31)が21日、都内で行われた中村勘九郎襲名記念「赤坂大歌舞伎」の製作発表に出席。昨年12月に急性呼吸窮迫症候群で他界した中村勘三郎さん(享年57)の演出で2008、2010年に上演され、人気を呼んだ「赤坂大歌舞伎」を中村勘九郎襲名記念として弟の中村七之助(29)、中村獅童(40)とともに上演する。

 演目は三遊亭円朝の口演による怪談話が原作の「怪談乳房榎(かいだんちぶさのえのき)」で、父である勘三郎さんの当たり役としても有名。父の遺志を継ぎ、当たり役への挑戦にも勘九郎は「プレッシャーはないです」とキッパリ。勘三郎さんとのダブルキャストでの上演も視野に入れていたといい、「父が6回やって、子供の頃から憧れで、父もやり続けていた役で、必ずやりたい役だった。思い入れも相当ある。父の切り開いた道を耕す、豊かにする第一歩をこの3人で一緒にやらせていただくのはすごく意味のあること。父も喜んでいると思います」と続けた。

 3役の早替わりも作品の見どころだが、「エンターテインメント色の強い、見やすい作品。早変わりもみそ、おまけのような気持ちで見ていただきたい。父の演出とも違う部分もありますし、そこも楽しんでいただけたら。1日2回公演は初めての経験ですし、(この演目での2回公演は)父もやっていません。どうなるかわからないですが、いい芝居をして少しでもお客様にいい笑顔になってもらいたい」。

 「父は自分が好きな演目では『やりたいだろ?大きくなったらやってよ!』って必ず言っていた。この演目は『やりたいだろ?やりたいだろ?』ってずっと言っていた。父が本当に愛していた演目。小さい時にシャワールームでシャワーを滝にして写真を撮っていたりしていた」と子供の頃のエピソードを明かした七之助。「父親は新しいことをしていると言われるが、本当はすごく古典を愛した人。この演目はアナログで奇抜なことがない、それを追求した舞台。死ぬ気で3人でやりたい」と作品への思いを語っていた。

 赤坂ACTシアターにて3月8日~24日に上演される。

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