千石規子さん死去、９０歳　黒澤作品などで名脇役

死去した千石規子さん

　黒澤明監督作品などの名脇役として知られた女優の千石規子（せんごく・のりこ、本名森礼子＝もり・れいこ）さんが昨年１２月２７日午後３時３４分、老衰のため東京都内の病院で死去していたことが１０日分かった。９０歳。東京都出身。葬儀は近親者で行った。

　１４歳のとき、東京・新宿の大衆劇場「ムーラン・ルージュ」で踊り子としてデビュー。戦後、東宝に入社して衣笠貞之助監督「女優」で映画デビュー。黒澤監督「酔いどれ天使」で好演し、以後、「野良犬」「七人の侍」などで同監督作品の脇を固める常連として活躍。溝口健二監督など、日本を代表する監督の作品に数多く出演。生活感のある中年女性やくせのある老人を演じて存在感を示した。テレビでも「たけしくんハイ！」「Ｄｒ．コトー診療所」などのドラマで人気を得た。