みとった野田秀樹氏に“オファー”「闘病の様子を芝居にしてくれ」

[ 2012年12月7日 06:00 ]

勘三郎さん宅を弔問に訪れた野田秀樹氏

中村勘三郎さん死去から一夜

 勘三郎さんの長男の勘九郎(31)ら親族、女優の大竹しのぶ(55)らとともに最期をみとった野田氏。その様子を、「フェードダウンしていくようにゆっくり…苦しむことはなかった。看護師さんも4、5人来てお別れしていました。彼の人柄にひかれたんだと思う。みんなから愛される彼らしい最期だった」と静かに話した。5日にコメントを発表、この日は自らの口で心境を語った。

 2人は同い年で、30年来の付き合い。01年に野田氏が脚本・演出を手がけた新作歌舞伎「野田版 研辰(とぎたつ)の討たれ」を勘三郎さんが歌舞伎座で上演。10年には、野田氏が主宰する「NODA・MAP」の番外公演「表に出ろいっ!」で夫婦役を演じた。

 入院後、野田氏が「日課のように(病室に)顔を出していた」時も勘三郎さんは「表に出ろいっ!」や自らの舞踊ビデオを見たり、肩を回すなどのリハビリにも努めていたという。「舞台に戻ることが大前提でいつも芝居の話をしていた。“今の状態(闘病の様子)を芝居にしてくれ”とも言っていた」と明かした。

 野田氏は、「野田版 曽根崎心中」などの新作の依頼も受けており、来年4月に新開場する歌舞伎座についても、「こけら落としの翌年の夏に」と新作執筆を依頼されていた。今後、勘九郎や七之助(29)から、再び依頼があった時は、「アイツ(勘三郎さん)だったら自分がいなくてもやってくれって言うと思う。彼らが言ってきたら一緒に仕事をしたいと思う」と話した。

 夜には2日連続で都内の勘三郎さん宅を弔問に訪れた。

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