岩田さん芸術監督で初公演 シベリアのバレエ団

[ 2012年11月3日 21:17 ]

 ロシア東シベリアのブリャート国立アカデミーオペラ・バレエ劇場の芸術監督に就任した岩田守弘さん(42)=横浜市出身=が初めて演出を担当するバレエ公演「上昇」が3日、ウランウデで行われた。

 岩田さんは世界最高峰のバレエ団の一つ、モスクワのボリショイ・バレエ団で1996年から今夏までソリストとして第一線で活躍してきた。同劇場によるとロシアのバレエ団で外国人が芸術監督を務めるのは初めて。620席のチケットは前日までに異例の完売となった。岩田さん自身も踊りを披露しほぼ満席の観客から喝采が送られた。

 岩田さんは公演前に「世界公演が夢だが、まずは地元の人たちにとって明日への活力、生活の一部となるような芸術を提供できるよう、基本を根付かせていきたい」と話した。同劇場は第2次大戦後にシベリアで抑留された日本人が建設に関わったことで知られる。

 同劇場のアユーナ・ツィビクドルジエワ支配人は「岩田さんを芸術監督に招いたことでバレエのレベルが上がった。私たちに必要なのは優れた指導者だ。国籍は関係ない」と語った。

 「上昇」は「白鳥の湖」や地元シベリアの作品「アンガラの美女」の名場面や、岩田さんが振り付けをした日本太鼓に合わせて踊る作品「魂」など計14部で構成。

 「ブラボー」と拍手をしていた心理学者の50代の女性は「新聞やテレビで岩田さんのことが多く紹介されていたので来た。期待通りだった」と満足そうに話した。(共同)

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