橋下市長も見送り…桑名正博さん、御堂筋“パレード葬”

[ 2012年10月31日 06:00 ]

出棺の際、遺影をファンに向かって掲げる美勇士

 7月に脳幹出血で倒れ、意識不明のまま今月26日に亡くなった歌手・桑名正博さん(享年59)の告別式が30日、大阪市阿倍野区の「やすらぎ天空館」で営まれた。歌手の谷村新司(63)や「B’z」のギタリスト松本孝弘(51)らが参列。出棺後、桑名さんをのせた霊きゅう車は大阪のメーンストリート・御堂筋を走行し、5000人以上の市民や橋下徹市長(43)に見送られた。

 午後3時前、平日の昼間にもかかわらず大阪・淀屋橋近辺から難波まで、全長約4キロの御堂筋の沿道には5000人以上の市民が詰め掛けた。大阪府警のパトカーや警官約100人が出動。「まさや~ん!」という声援や拍手、手を合わせるファンに見送られながらの愛した街との最後の別れは、ロック歌手にふさわしく、コンサートの舞台から去る時のように華々しい光景。地元に愛される存在だったことを、あらためて証明した。

 “パレード”の出発点となる大阪市役所前では、橋下市長が見送った。葬儀委員長を務めた歌手の内田裕也(72)が御堂筋でのパレードが決まってから大阪市に電話し、市長の秘書に「5分でもいいから出てきて見送って」と自ら頼んで実現したもの。桑名さんの長男でミュージシャンの美勇士(31)らとあいさつを交わした橋下市長は「(やしき)たかじんさんを通じて、いろいろな応援メッセージをいただいていた」と交流を明かし「大阪のスターです」と別れを惜しんだ。

 告別式には約700人の参列者に加え、会場前にはファン600人の姿が。生前、桑名さんが指名していたという俳優・故原田芳雄さんの長男でギタリストの原田喧太(42)が弔辞を読んだ。「こっちの世界は大丈夫。オレや美勇士で新しい明日をつくっていくので、まさやんはそっちの世界で大いに飲んで、歌って、ゆっくり休んで」と語りかけ、メンバー紹介さながらに「ボーカル&ギター、桑名正博!ありがとう」と締めくくった。

 前日の通夜に引き続き、この日も“ライブ葬”となった。笑顔で気丈に対応してきた美勇士が、桑名さんのヒット曲「月のあかり」を熱唱中に涙を流し、一時言葉が出なくなる場面もあったが、妹で歌手の桑名晴子(56)と肩を抱き合い、歌い遂げた。

 内田は「日本を代表するロック・ボーカリストだ。せめて“ロックンロール”の69歳まで生きてほしかった」と若すぎる死を悼んだ。

 ▽主な参列者 原田喧太、内田裕也、デューク更家、谷村新司、もんたよしのり、上田正樹、ぼんちおさむ、プラスマイナス・兼光貴史 ※順不同

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