大ケガから51日…染五郎が会見 舞台復帰は来年2月

[ 2012年10月18日 06:00 ]

骨折した右手首のサポーターを見せながら会見する市川染五郎

 8月27日の舞台公演中にセリから転落して右手首骨折などの重傷を負った歌舞伎俳優の市川染五郎(39)が17日、都内で復帰会見を行った。仕事復帰は12月上旬のNHK・BS時代劇(来春放送)の収録からで、舞台復帰は父親の松本幸四郎(70)と共演する来年2月の日生劇場公演(演目未定)。「地に足をつけて、舞台で結果を出すことが支えてくれた人への恩返し」と誓った。

 公の場へは51日ぶり。グレーの羽織はかまの正装に、右手首には黒いサポーター。事故前に比べて、ややふっくらとした印象。表情を引き締め、「私の基本的なミスにより、多くの方にご迷惑をかけたことを深く深くおわびいたします。今は仕事のできる体をつくっていくのが自分のやるべきことだと思います」と深々と頭を下げた。

 日本舞踊松本流宗家が舞踊を披露する「松鸚会(しょうおうかい)」の公演中に、舞台後方のセリから約3メートル下の奈落に仰向けで転落した。セリが下がっていることは自覚していたといい、「一番気をつけなければならないことを忘れていた」。当初は右手首骨折、右側頭部と右半身の打撲と発表されたが、新たに肋骨骨折と、頭部の骨にもヒビが入っていたことを明らかにした。

 約3週間入院し、手首にプレートをはめ込むなどの手術を受け、9月19日に退院。現在は、肋骨の痛みが残るものの、リハビリで順調に回復中。医師からは「あと1カ月くらいで体は治る」と言われており、後遺症はないという。

 療養中に支えてくれた家族には「想像以上に心配をかけたと思う」と感謝。落下した奈落を「血の海」と表現した幸四郎が回復ぶりを“奇跡”と述べたことについては、「役者として舞台に立って、結果を出すことで奇跡を起こしたい。それがご恩返しになると思う」と話した。

 12月上旬には主演のBS時代劇「妻は、くノ一」(来年4月スタート)の収録に入る。来年2月の舞台復帰について、セリへの恐怖心は「全くない。それはセリに対して申し訳ない」と言い切り、「来年は40歳になるので、人生の後半に入ってくる。地に足をつけ、突っ走るとかではなくて、確実に前進していきたい」と強調。しっかりと足元を踏みしめながら、役者人生を歩んでいく決意を見せた。

続きを表示

この記事のフォト

2012年10月18日のニュース