「芝居のことばかり考えていた」大滝さん死去に民芸俳優ら

[ 2012年10月5日 19:38 ]

 2日に87歳で死去した大滝秀治さんが代表を務める劇団民芸の所属俳優らが5日午後、東京都内の劇場で取材に応じ「情熱的で芝居のことばかり考えていた」などと思い出を語った。

 娘婿で演出家の山下悟さんによると、大滝さんは2月に肺がんが見つかり、療養していた。赤塚不二夫さんの著書「これでいいのだ」を読み、9月末には「もう一度舞台に立ちたい」と色紙に記していたという。「炎が消えるように静かに息を引き取った」と臨終の様子を語った。

 民芸の樫山文枝さんは「本当に芝居が好きで、役者としての執念を教わった」、日色ともゑさんは「情熱的で、火の玉のような人だった」などと、時折涙を浮かべながら語った。

 去年、最後の舞台で共演した中地美佐子さんは「いつも全力で、すさまじい努力をしていた。24時間、寝ているときも芝居のことを考えろ、と言っていた」と故人をしのんだ。

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2012年10月5日のニュース